サンゴの生態と飼い方!水槽でサンゴ礁を育てよう!
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ダイビングやテレビの特集で綺麗なサンゴを家に持ち込めたらなぁと思ったことはないでしょうか。
実のところサンゴは水槽を用いて家庭で飼育・育成することもできる生き物です。
「サンゴってなにもの?どんな種類があるの?飼育できるの?」
上記の疑問にお答えするサンゴについてのあれこれを解説していきます。
目次
サンゴとは!?サンゴの生態
サンゴは植物ではなく、イソギンチャクやクラゲに近い動物の一種です。
サンゴには大なり小なりポリプと呼ばれる小さな触手を持っており、ポリプを伸ばして海中の栄養素やプランクトンを吸収して生活しています。
さらにサンゴの体内では褐虫藻と呼ばれる極小の藻類が共存しており、褐虫藻による光合成でもエネルギーを得ることができます。
動物でありながら光合成によりエネルギーを生成することができるため、動植物と呼ばれることがあります。
サンゴは毒を持っている
サンゴはイソギンチャクやクラゲの仲間であり同じく毒を持っています。
自然界にいるサンゴは触れただけで赤く腫れ上がるものもいますが、水槽で飼育されるサンゴは毒性が低く毒による被害はほぼありません。
飼育において注意することはサンゴ同士の接触です。
サンゴ同士が接触するとで片方が毒にやられて弱ってしまうことがありますので、設置する際はサンゴ同士が触れ合わないようにすることが重要です。
またサンゴを触った場合は必ず手を洗うようにしましょう。
サンゴの種類
アクアショップで入荷されるサンゴは飼育方法や難易度などにより4つのグループに分けることができます。
ソフトコーラル
ソフトコーラルは死んでも白い骨格が残らない骨の無いサンゴです。
骨格を作るハードコーラルと比べて育成が簡単で成長速度も早いのが特徴です。
環境の要求度が低いため設備もあまりかからず育成することができます。
まずはこのソフトコーラルから飼育を始めて見ると良いでしょう。
ハードコーラル(LPS)
骨格を持つハードコーラルのうち、ポリプが大きいものをLarge Polyp Stony(ラージ ポリプ ストーニー)、略してLPSと呼びます。
大きく柔らかいポリプが水にたなびく様子はとても綺麗で癒される光景です。
LPSはソフトコーラルと比べて育成が難しいものが多いですが、キクメイシやオオバナサンゴなどそこまで差がないものもあります。
LPSは何らかの要因で調子を崩してしまうと回復が難しいため、ややデリケートな一面があります。
種類によっては丈夫なサンゴもいるけど一度調子を崩すと回復が難しいヨ!
ハードコーラル(SPS)
SPS(Small Polyp Stony)と呼ばれるサンゴは名前の通りポリプが小さいハードコーラルです。
小さなポリプの群体であり一般的に連想される硬い枝上のサンゴはこのSPSに属しています。
飼育が最も難しいサンゴと言われており、水の綺麗さ・照明・水流など求められる飼育環境のレベルが高くしっかりした飼育設備が必要です。
飼育には一定の環境を要求しますが環境さえ用意してしまえば調子を崩すことがほぼ無く、環境範囲外となって調子を崩しても復帰しやすいため、ある意味LPSより飼育が簡単だとも言えます。
水流や照明の加減で形が変化し、また育成スピードもゆっくりのため盆栽のようにじっくり育てる楽しみがあります。
ミドリシでまとめられた水槽は圧巻だヨ!
陰日性サンゴ
深海などの深い海に生息するサンゴは陰日性サンゴと呼ばれれます。
海の深いところでは光が少量、または全く入らないため褐虫藻が生存できません。
そのためポリプによるプランクトンなどの捕食でエネルギーを得ています。
飼育においても餌を与えることが必要で、また深い海は水温も低いために飼育する水温も低く保つ必要があります。
好日性サンゴが好む強い照明も嫌い、暗いほうが調子が良いくらいです。
アクアショップなどで入荷・販売されているサンゴはどれも好日性がほとんどですので陰日性サンゴはマイナーなジャンルです。
性質上ほかのサンゴと飼育できないため特別扱いされているヨ!
サンゴ飼育の基礎
サンゴ飼育のために抑えるべきポイントは「水の綺麗さ」、「光」、「温度」、「水流」、「栄養」の計5個のみです。
水の綺麗さ
サンゴの飼育には水が綺麗であることが求められます。
少しでも汚れがあると生存できず、日本でも沖縄や和歌山などの水のきれいな地域でしかサンゴ礁を見ることができません。
水の汚れは「硝酸塩濃度」を指標にします。
育成の簡単なサンゴで「20ppm未満」、一般的なサンゴは「10ppm未満」、難しいSPSで「2ppm未満」をクリアする必要があります。
硝酸塩濃度測定キットを用いて水の汚れをチェックし、汚れているようであれば水換えを行って綺麗な水を保ちます。
水温
水の綺麗さに次いで重要なのが水中の温度、水温です。
近年でも海中の水温上昇によりサンゴ礁の現象が問題になっており、テレビで特集されることも増えてきました。
サンゴを飼育する水槽内でも高くならないように保つに必要があり、一般的なサンゴの場合は「22度~27度」を維持します。
それを越えると少しずつ体内の褐虫藻が維持できなくなり茶色が抜けて白く変化していきます。
これがサンゴの白化現象と呼ばれるものです。
褐虫藻が抜けてしまい完全に白化してしまったサンゴは光合成によるエネルギー生成ができなくなり壊死が始まってしまいます。
また深い海に生息するサンゴは水温も低くなりますので水槽内でもより低い温度が求められます。
光
サンゴは光合成により栄養を得ているため適度な光、照明は飼育する上で重要です。
アクアショップで流通しているサンゴは浅場に生息し光合成から栄養を得ている好日性サンゴと呼ばれるサンゴがほとんどのため、照明はとても重要になります。
また生息する海の深さにより必要する照明のスペクトル(色味)も異なってくるため、サンゴ用に設計された飼育器具を用いるのが良いでしょう。
浅い海に生息するものであるほど照明の重要性はあがりますが、逆に深い海に生息するものであればあるほど強い照明は必要としなくなります。
特に陰日性のサンゴは強い照明をあてると調子が悪くなるため鑑賞のための最低限度の照明のほうが良いでしょう。
水流
サンゴ飼育においては水流は非常に重要な要素です。
本来の生息環境では絶えず海流の流れをうけており、それに適した体に進化しています。
そのため水流がある前提で体が作られており、水流が無いと体が腐って溶けてしまったり、自分の粘液で中毒死してしまうリスクがあります。
本来の自然下ではサンゴ全体にいきわたるような水流が多方向から発生しており、水槽内でもそれを再現する必要があります。
サンゴにとっては水流は空気そのもので、しっかり水流を作ってあげないと調子を崩してしまいます。
栄養
サンゴの維持・成長には各種栄養素が必要になります。
特に深場のサンゴはエネルギー摂取を食事に頼っているため、粒状の餌を定期的に与える必要があります。
反面、浅場のサンゴは光合成で栄養をカバーしているものが多く栄養を与えなくても健康に育つサンゴが多くいます。
サンゴによって必要とする餌や栄養素のタイプが異なりますので、液体添加剤、サンゴ用フードなど様々な種類の栄養源がありますのでサンゴの種類に合わせて与えるようにしましょう。
サンゴ飼育に必要な設備、用品
水槽
サンゴを飼育するケージには鑑賞と健康状態の観察のためにガラス製の水槽が良いでしょう。
ある程度大きい方が日中の水温変化によるダメージが少ないため、30cm以上の水槽を用意してください。
オススメは30cmハイタイプ(横30cm×奥30cm×高さ40cm)です。
水質が安定しやすい水量で、高さがありレイアウトしやすくオススメです。
人工海水
サンゴは海に生息しているため海水が必要になります。
海水の用意には水道水に溶かして海水が作れる人工海水が便利です。
バケツなどに水道水を入れ規定量を入れて溶かすだけで海水が作れます。
近くに綺麗な海があれば採取してきても良いでしょう。
比重計
人工海水を使用する場合は塩分濃度が適切かどうかをチェックする必要があります。
塩分濃度が適切でないとポリプが縮んでしまい弱ってしまいます。
必ず比重計を利用して適切な範囲であるかを確認して下さい。
硝酸塩濃度測定キット
水が綺麗であるかを確認するためには硝酸塩濃度測定キットを利用して硝酸塩をチェックします。
測定キットというと大層なものに思われますが、少量の試薬および試験粉を混ぜて測定する簡単なものです。
測定をして数値を確認しないと水が綺麗であるかどうかが分かりません。
汚れが見えないと適切な水質であるかが分からずサンゴを知らず知らずのうちに弱らせちゃうこともあるヨ!
必須と考えてネ!
関連硝酸塩濃度測定キットのススメ!飼育できるサンゴや適切な水換えタイミングが分かる!
クーラー
サンゴの飼育には高水温にしないことが必須ですが、夏場はどうしても30度をこえてしまいます。
サンゴの飼育のためには22度~27度の範囲にし、陰日性のサンゴはより低く維持します。
そのため水槽用のクーラーを設置して高温にならないようにします。
他のペットを飼育しているケースで常時部屋用のクーラーが効いている場合は水温を確認して日中が大丈夫そうなら無くても良いでしょう。
クーラーにはポンプを接続して循環させる必要があるため別途ポンプも必要になります。
しっかり冷やすならやっぱり水槽用クーラーが最強!
関連高水温でも飼えるサンゴを検証してみた!32度超えでも飼育できるサンゴがいた!
ヒーター
多くのサンゴは気候の温かい地域に生息していますので、日本の冬は寒すぎてしまいます。
熱帯魚用の水中ヒーターを利用して22度~27度を維持しましょう。
照明設備
サンゴの飼育は照明がとても重要でサンゴ飼育に特化したフルスペクトルLED、または強力な光源であるメタルハライドランプを使用します。
最近ではスペクトル(色味)を自分で設定できるシステムLEDも見かけるようになり、こちらもオススメです。
海中ということもあり光のスペクトル(色味)が特殊で熱帯魚用の一般的な照明設備では飼育することができないと考えて下さい。
深い海に生息するサンゴであるほど青い照明を好み、浅場のサンゴであれば明るい白い照明を好みます。
それぞれのサンゴに適したスペクトルの照明を用意しましょう。
この点システムLEDではスペクトルを設定でき、色々と応用が効くので使い勝手の良いアイテムです。
メタルハライドランプは高価で重いため、フルスペクトルLEDやシステムLEDが手頃でオススメです。
照明は24時間タイマーを利用して規則正しいリズムで照射するようにします。
昼はいっぱい光合成させ夜はしっかり暗くして休ませることがとても重要です。
部屋の照明が不規則だったりするとそれだけでもダメージを受けてしまうことも。
ライトがあってないとうまく育たなかったり色あせてしまうヨ!
照明は育成ももちろんのこと発色・鑑賞にも影響するヨ!
関連サンゴを飼うための照明について。色や時間、LEDの使用感など。
ウェーブポンプ
海中の水流を再現するためにはウェーブポンプと呼ばれる造波装置を設置します。
通常のポンプと比べて広い範囲で並を生成するためサンゴが好む全体にあたるような水流を作ることができます。
ランダム性のある水流を実現するためにウェーブポンプの中でもコントローラー付きのタイプを選んで下さい。
付属のコントローラーにより強弱のついた水流を生成できるため、サンゴが腐らないようなランダム性のある水流を作ることができます。
水流が回転するディフレクターを複数設置してもよいのですが、コントローラー付きのウェーブポンプであれば1台でカバーできるためこちらの方がオススメです。(※大型水槽は除きます)
普通のポンプだと点で排出されて1点しかあたらないんダ!
栄養剤・サンゴの餌
サンゴに与える栄養剤は液体タイプのものと粉末タイプのものがあります。
ポリプからあまり食事を摂取しないソフトコーラルやSPSは飼育水に垂らす液体タイプの栄養剤を与え、ポリプから積極的に餌を食べる陰日性サンゴやLPSには粉末タイプのものが効果的です。
特に陰日性サンゴはポリプでプランクトンを濾し取って食べているため、冷凍コペポーダーなどの冷凍エサを投与したほうが良いでしょう。
好日性サンゴの中にはポリプからの栄養摂取に頼らずに光合成だけでエネルギーをまかなうサンゴも多いため、飼育しているサンゴに合わせて投与が必要です。
飼育するサンゴに合わせて給餌を行うのがポイント!
もっと詳しく:サンゴに必要な栄養と添加剤の種類について。使い方と選び方
サンゴ砂
水を綺麗に保つためにサンゴ砂を敷きます。
サンゴ砂には水の汚れを抑える濾過バクテリアと呼ばれる微生物が繁茂し、水質を安定させる作用があります。
粒が小さいパウダータイプのものは水流で舞って、サンゴの上に乗っかってしまうとサンゴにダメージを与えてしまいますので、粒の大きさが細目以上のものを選択します。
サンゴ砂を敷く厚さは1~2cmほどあれば十分です。
砂を敷かない選択肢もあり、その場合は熱帯魚用のフィルターを設置するか、ライブロックを設置してバクテリアが繁茂するエリアを用意します。
デリケートなLPSだとサンゴ砂が接触するダメージが大きいから、舞わないような粒の大きさのものにしてネ!
サンゴの日頃のお世話
サンゴ飼育で日常的にするお世話を説明します。
といっても性質は植物に近いためやることはあまりありません。
硝酸塩濃度のチェック・水換え
定期的に硝酸塩濃度をチェックして水が汚れてないかをチェックします。
光合成により水を浄化する作用はあるものの、排泄したり体内で余った褐虫藻を吐き出したりするため水を汚すこともあるためです。
一般的なサンゴであれば20ppmを切る程度10ppm程度であれば問題ありませんが、特に綺麗な水を必要するSPSサンゴは2ppm以下を保つようにしましょう。
またLPSの仲間、オオバナサンゴやトランペットコーラルなどは硝酸塩濃度を多少必要とするようで5~10ppmほどの方が調子が良くなります。
範囲を越えている場合は水換えを行って硝酸塩を吐き出し、硝酸塩濃度を薄くすることが必要です。
水槽が安定してくると水換えすることはほぼ無くなります。
餌・栄養剤の投与
餌や栄養を必要するサンゴであれば定期的に投与が必要です。
栄養剤を投与する場合は毎日規定量を添加します。
餌を必要とするサンゴには粉末状の人工飼料や冷凍ワムシ、コペポーダーなどの餌をコップなどの小さな容器で飼育水と混ぜ合わせてスポイトで与えます。
スポイトで餌を与えている間は水流ポンプ及びプロテインスキマーを止めましょう。
餌やり後もすぐには再始動せずに10分程度は止めておいた方が餌を効率よく与えることができます。
与えすぎると調子を崩すためサンゴの様子をみながら与えてあげて下さい。
関連サンゴに必要な栄養と添加剤の種類について。使い方と選び方
換水
通常換水といえば魚のフンから出る汚れ、硝酸塩を排出するために行う作業ですがサンゴ育成にとっては栄養補給という意味が強いです。
時間が経てば経つほどサンゴは栄養を消費するため、水槽の海水から栄養分が無くなっていきます。
人工海水にはサンゴに必要なミネラル分が多く含まれているため、換水を行えば栄養を補給することができるのです。
栄養剤は添加剤は適切に投与を行わないと却って水を汚してしまうため、むやみに栄養剤を添加するよりは定期的に換水を行うほうが効果的です。
サンゴの購入・導入
サンゴは海水魚の取扱いのある熱帯魚店およびアクアショップで入手することができます。
店員さんに頼むとパッケージしてくれますので、購入後は輸送時間をかけないようすぐに帰宅するようにしましょう。
サンゴも生き物であるため輸送時間が長いとサンゴにダメージを与えてしまい弱ってしまいます。
元気なサンゴの選び方
元気なサンゴを選ぶポイントはポリプがしっかり開いているかをチェックしましょう。
SPSの場合は白く白化していないかも確認します。
多少ポリプが開いていない程度であれば良いのですが輸送状態が悪く弱りきって回復不可能になっているサンゴもあり、その場合はどんなに良い環境においたとしても失敗してしまいます。
ソフトコーラルやSPSの場合は復帰がしやすいためあまり気にする必要はありませんが、LPSだと回復が難しいため販売時のサンゴのコンディションチェックがとても重要です。
導入方法:水合わせは必要か?
海水魚だと水合わせが必要になりますが、サンゴの場合は基本的には水合わせをする必要はありません。
もちろん水合わせを行うことで環境が変わることによるショックを軽減できるのは事実ですが、それよりも輸送時間を減らしたり大切に持ち帰ることが重要なのです。
時間をかけた水合わせを行うと返って状態が悪くなることもありますのでとっとと良い環境に移すのが良いでしょう。
導入の際は空気にさらす時間をなるべく少ないように手早く、かつ大切に行います。
慌てると不本意にポリプを痛めてしまうことにつながりますので注意が必要です。
サンゴ同士が接触しないように設置する
サンゴには微量ながら毒があり取扱には注意が必要ですがサンゴ同士が接触しても毒によるダメージがあります。
接触した場合は毒が強い方のサンゴが弱い方を弱らせてしまいます。
ナガレハナサンゴやトランペットコーラルなどはサンゴの中で最も強いと呼ばれるほど強い毒性を持っておりポリプがふくれても触れ合わないようにすることがポイントです。
特にナガレハナサンゴやコエダナガレハナサンゴなどスイーパーという攻撃用の触手を伸ばすサンゴについては、より広い範囲を攻撃しますので設置には注意が必要です。
もちろんですが同じサンゴ同士は同じ毒を持っているため触れても問題ありませんし、近いサンゴであればなんともないことが多いです。
(例、ナガレハナサンゴとコエダナガレハナサンゴ)
また毒性の少ないサンゴになればなるど触れ合っても大丈夫なことが多いです。
(例、ウミキノコとウミアザミ)
触った後は必ず手を洗う
先述した通りサンゴには微量ながら毒があります。
そのためサンゴを取り扱った後は必ず水で手を洗うようにしましょう。
また手にひどい怪我をしている場合は触らないようにすべきです。
くれぐれもサンゴを触った手で眼をこすったりすることのないように取扱後はすぐに手を洗う習慣をつけて下さい。
サンゴの成長速度・増やし方
サンゴの成長速度は遅く、植物ほど成長を実感することはできませんが長い日数で見れば確実に大きくなります。
例えば成長の早いソフトコーラル(スターポリプ)を例にとってみましょう。
このようにサンゴは大きくすることができ、得にソフトコーラルは成長が早いため長い目で見れば水槽全体を埋め尽くすのも簡単です。
ハードコーラルは成長がゆっくりのためここまでの成長スピードはありませんが、それでも1ヶ月単位でみると確実に大きくなります。
増やしたりとかもできるの?
サンゴの種類によって株分け方法が違うから説明していくネ!
ソフトコーラルの増やし方
ソフトコーラルは切れば簡単に分けることができます。
マメスナギンチャクやディスクコーラルなどライブロックなどにそって群体で増えるサンゴの場合はライブロックなどの土台を割って千切ると株分けできます。
ウミアザミやチヂミトサカなどはハサミなどで切って、ライブロックに挟む、爪楊枝で固定するなどして固定すれば1ヶ月ほどでライブロックに活着して伸びてくれます。
切った残りも新たなポリプを作って再生しますので、ソフトコーラルは非常に株分けのしやすいサンゴです。
ハードコーラル(LPS)の増やし方
大きくなってくるとマウスと呼ばれる口部分が複数ができるようになりますので株分けが可能になります。
プラケースなどにサンゴ消毒用のヨウ素を規定量入れたものを準備しておきます。
サンゴ消毒用のヨウ素、ディップ液はメーカーによって添加量やつける時間が指定されているので説明書に従います。
マウスとマウスを分けるようにノコリギや電動ノコリギなどでカッティングし、準備しておいたヨウ素液にひたします。
消毒が終わると水槽内のゆるやかに水流があたる部分に配置して、傷口の修復を待ちます。
傷口が完全に修復されたら通常のサンゴとして取扱ができるようになります。
切断に時間をかけすぎたり切断面が綺麗にカットできないとサンゴにダメージを与えてしまい失敗することもあるため気をつけて下さい。
どちらかというとサンゴ用の電動ノコギリをもったショップや業者さんがやるものだけど、家でもやろうと思えば可能だヨ!
ハードコーラル(SPS)の増やし方
SPSは群体の集まりなので枝を割ってライブロックなどに水中用の接着剤でつけることにより株分けが可能です。
株分けしたサンゴを接着するアイテムには取り回しがしやすい形状をした「フラグ」と呼ばれるアイテムに接着するのが定番です。
LPSと同様、ヨウ素による消毒を行えば傷口の再生が早くなります。
サンゴと海水魚の両立
サンゴの間を泳ぐ色とりどりの海水魚はとても癒やされる風景で、綺麗な海水魚を入れたいと思うもの。
魚はフンなどを排出するため水が汚れてしまい、綺麗な水を好むサンゴには良くありません。
しかし器具を設置することで飼育が可能になり、魚を入れるメリットもあります。
魚とサンゴに関するあれこれを説明していくヨ!
プロテインスキマーの設置
プロテインスキマーは筒状の容器内で大量の泡を生成することで、フンや汚れなどの海水以外の物質を水槽外に吐き出す装置です。
魚が出すフンそのものを除去してくれるため水が汚れなくなり、サンゴと海水魚の両立が可能になるのです。
もちろん全てのフンを除去するのは不可能で多少ながら取りこぼしが出てしまうため、必要に応じて硝酸塩濃度を測定することが重要です。
魚を多く入れてしまった場合は汚れが増えるスピードが上がるため水換えで対応するか、より強力なプロテインスキマーに変える必要があります。
サンゴ飼育におけるプロテインスキマーの能力は魚を入れる数に直結するため、できるだけ大きいものを使用することで魚を入れる数を多くすることができます。
関連海水水槽のプロテインスキマーとは!?仕組みと効果、おすすめのスキマーについて!
フィルターについて
熱帯魚で使われるフィルターはフンの毒素を薄めるためのもので、少しながらでも水の汚れが許されないサンゴ飼育には適していません。
魚を入れることで硝酸塩を下げすぎない
サンゴ自身や砂・岩にも浄化能力がありますが、水槽システムがしっかり機能しているいわばベテラン水槽では汚れ、つまり硝酸塩が全く検出されなくなることがあります。
しかしながら硝酸塩は微量ながらサンゴの栄養として使用されているため無くなってしまうと調子が悪くなってしまうことがあります。
特にオオバナサンゴ、ハナガタなどのLPSは多少(5ppm~10ppm)の硝酸塩濃度があった方が良く、0に近いとポリプを維持できなくなります。
海水魚を入れることで硝酸塩を供給でき、かえってサンゴの維持に都合が良いのです。
コケ・藻類を除去してもらう
サンゴを飼育しているとコケ・藻や海藻類が発生してサンゴを覆ってしまうことがあります。
サンゴがコケに覆われてしまうと光合成が阻害されてしまうほか、ポリプを出せなくなり調子が悪くなってしまいます。
そこでギンポやハギなどの藻類を食べてくれる海水魚を導入することで、コケや海藻を除去してもらいサンゴに良い環境にすることができます。
関連海水水槽で生えるコケ・藻に効果抜群なオススメのコケ取りBEST5!
サンゴを食べる海水魚に注意
海水魚の中にはハードコーラルのポリプを食べる食性を持っているものがあり注意が必要です。
ヤッコやチョウチョウウオ、カワハギの仲間はサンゴを食べる種類が多く注意が必要です。
特に小型ヤッコ類は価格も安くよく販売されるため、一度サンゴを食べる種類かどうかを調べた上で導入するのをオススメします。
またソフトコーラルは食害に合いづらいため、ソフトコーラルでまとめている場合は気にする必要はほぼありません。
まとめ
サンゴはポイントを抑えれば家庭の水槽でも飼育して増やせますし、ペットショップでも取扱いが増えているため入手も簡単になってきました。
個人的にはずっと熱帯魚や金魚など淡水のをやってた時はサンゴも育成することになるとは思ってもみませんでしたが、海水魚飼育とともにやってみれば意外と簡単に育成・増殖することができるのに驚きました。
「意外と簡単じゃん!」
今はじっくり盆栽のように飼育するSPSにハマっていますが、ソフトコーラルは丈夫で成長も早く小さなサンゴの株からサンゴ礁を作るもの簡単です。
「サンゴを家で増やしてるぜ!」っていえば話のネタになりますし、なにより自宅できれいな珊瑚礁があるのはいいですネ!
来客が来れば「スゴイ!水族館やん!」と褒め称えられるのは間違い無しです!
水槽で綺麗なサンゴ礁を作ってみて下さい!
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