海水水槽のプロテインスキマーとは!?仕組みと効果、おすすめのスキマーについて!

マリンアクアならではの飼育設備であるプロテインスキマー。
その仕組みや設置することによるメリット、設置の必要性、プロテインスキマーの種類とその特徴などを解説。
また実際に使用しているオススメのプロテインスキマーも。
プロテインスキマーとは
プロテインスキマーは大量の泡を生成して、泡の力で汚れを外部に吐き出す飼育設備です。
英語でprotein(タンパク質)skimmer(除去装置)と呼び、その名の通りフンや食べ残しなどの有機物を除去します。
筒状の容器内で微細な泡を大量に生成させることで、ゴミやフン類を容器上方へと吐き出す仕組み。
プロテインスキマーに入ったフン・ゴミ類は泡の力で上へ上と押し出され、キレイな水だけが排出されるのです。

プロテインスキマーの効果、メリット

プロテインスキマーはフンや食べ残しを汚れになる前の状態で排出します。
水が汚れにくくなると言えばそれでお終いなのですが、それにより様々なメリットがあります。

換水頻度が減る
水が汚れにくくなるので換水回数が少なくなるメリットがあります。
これは生物濾過により浄化を行うフィルターとは一線を画しています。
フィルターによる生物濾過ではいくら強力なものを設置しても、汚れは蓄積していくので水換えは避けることができません。
対してプロテインスキマーは水換えが必要となる汚れの元を物理的に排出して浄化を行います。
生体の数をプロテインスキマーの能力を越えないようにすることで、ほとんど水が汚れなくなり水換えをしない水槽を作ることも実現可能です。

日数経過で汚れはどんどん溜まってしまうので水換えが必要なワケ!




アンモニアと硝酸塩について詳しく:水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。
人工海水の節約
水換え回数が減るので水換えに使用する人工海水のランニングコストが減ります。
大きい水槽ほど人工海水を使う量が多いので是非プロテインスキマーを設置したいところです。
サンゴ・イソギンチャクが飼えるようになる
サンゴやイソギンチャクは海水魚と比べてかなりキレイな水を必要とします。
水換えだけで保つのは難しいレベルで、特に少しの汚れも許さないミドリイシなどのサンゴたちはフィルターと水換えでの維持が困難です。
汚れをほとんど蓄積しないようにできるプロテインスキマーはサンゴの飼育に必須級アイテムと言えるでしょう。





溶存酸素量が増える
プロテインスキマーは大量の泡を生成するため強力なエアーレーション効果があります。
強力なエアーレーション効果により水中の溶存酸素量が多くなり、魚が過ごしやすい環境にすることができます。
単にエアーポンプによるブクブクを設置するよりはるかに効果的で、プロテインスキマーを設置すれば酸欠を心配する必要は無いでしょう。

- 換水回数を減らせる
- 強力なプロテインスキマーにより水換え無しも目指せる
- 人工海水の節約
- サンゴと魚の両立ができる
- エアーレーション効果があり、溶存酸素量を増やせる
プロテインスキマーの必要性
海水水槽では様々なメリットがあるプロテインスキマーですがフィルターと比べて高価なもの。
購入する価値があるかどうかは知っておきたいところですね。
プロテインスキマーは無くても海水魚を飼育することは可能ですが、個人的には是非とも設置しておきたいアイテムです。
海水水槽は水換えが面倒
海水の水換え作業は淡水と比べてかなり時間がかかります。
人工海水を使うため、溶かしきるまで待ったり比重を合わせたりと大変です。
そのため水換え回数が減らせるプロテインスキマーは水換えが面倒な海水水槽にはうってつけ。
環境や設置するプロテインスキマーの能力にもよりますが、2週間に一度換水を行っている場合は1~2ヶ月に一度程度には減らせるポテンシャルを持っています。
特に水槽が大きくなればなるほど水換えが大変になるので重要性も増し、60cm水槽を超える水槽なら設置していない人はほぼいません。
人工海水も節約できるメリットもついてきます。

水換え無しシステムには必須
水換えなしの水槽を作る上では強力なプロテインスキマーは不可欠。
「生体の排泄 < プロテインスキマーの浄化」になれば汚れはほとんど出ません。
水換えが面倒臭い人には特に設置しておいたほうが良いアイテムです。
私も強力なプロテインスキマーをメインに据えることで基本的に水換えをしない水槽にしています。
魚とともにサンゴ・イソギンチャクを飼育する場合には必須
サンゴやイソギンチャクの飼育には汚れがほぼない綺麗な水であることが求められます。
そのためサンゴを飼育している水槽には汚れを生み出してしまう海水魚は本来入れるべきではないのです。
しかしながらプロテインスキマーを設置することで汚れの元となるフンや食べ残しなどをシャットアウトすることができるため、水が汚れなくなりサンゴと海水魚を両立することが可能になるのです。
やはりサンゴには海水魚が似合いますし、海水魚にもサンゴがマッチします。
綺麗なサンゴ礁と魚の泳ぐ姿を目指すにはプロテインスキマーは必須でしょう。




淡水でプロテインスキマーが使われないワケ


このようにプロテインスキマーはとても有用な設備でありますが、淡水で使用されることはほぼありません。
というのも淡水では微細な泡が生成できないため、本来の性能が引き出せないのです。
海水と比べ淡水では水の粘度が足りずにどうしても大粒の泡になってしまいますが、これだと泡と泡の隙間からすり抜けてゴミが水槽に戻ってしまうのです。
このため淡水ではプロテインスキマーを設置してもほとんど効果が無く、使われることはありません。


粒の細かさが全く違う

プロテインスキマーの種類
プロテインスキマーにはウッドストーンにより泡を生成する「エアーリフト式」と、強力なポンプで泡を生成する「ベンチュリー式」、そのほか海水を叩きつけることで泡を生成する「ダウンドラフト式」などのタイプに分けることができます。
ダウンドラフト式は比較的大型でホビーとして使われることはほとんどありませんので、ここでは一般的に使われている「エアーリフト式」と「ベンチュリー式」を解説します。
エアーリフト式
エアーリフト式はウッドストーンによるブクブクで泡を生成するタイプのプロテインスキマーです。
筒状の容器とウッドストーン及びエアーポンプのみの簡単な構造のため安いのが特徴で、小型なタイプも多く初めてのプロテインスキマーに選ばれることも多いです。
静音性にも優れておりエアーポンプのモーター音くらいなもんです。
デメリットとして構造的に水の循環量が少なく、プロテインスキマーとしての能力には限界があり浄化能力は低め。
人によってはエアーレーションのみと割り切る人も。
またウッドストーンは劣化するため定期的に取り換えるメンテナンスを必要とします。
交換周期は2週間~1ヶ月程度。
交換を怠ると微細な泡がでなくなってしまいプロテインスキマーとして機能しなくなるので気をつけましょう。

- 静音性に優れており、音はほとんどしない
- 浄化能力はあまり期待できない
- ウッドストーンの定期的な取り換えが必要
ベンチュリー式
ベンチュリー式は強力なポンプに空気を噛ませることにより泡を生成するタイプです。
水中ポンプにより水の循環量が多く、強力な浄化能力を持つものが多いです。
エアーリフト式と比べると遥かに除去能力に優れています。
水中ポンプにより泡の生成を行うのためウッドストーンの定期的取り換えという煩わしいメンテナンスが必要ないのもメリットです。
強力な水中ポンプがスペースをとるためオーバーフロー水槽への設置を前提とした製品がほとんどですが、中には外掛けで使える手頃なベンチュリー式プロテインスキマーもあります。
また、ベンチュリー式のプロテインスキマーは駆動する水中ポンプにより「DCポンプタイプ」と「ACポンプタイプ」という2つのタイプに分けることができます。
DCポンプ
直流駆動による動作するポンプを利用したタイプ。
パワーが強力で駆動音が静か。
ACポンプ
交流駆動による動作するポンプを利用したタイプ。
ポンプ構造が簡単なため壊れにくい。
50Hzと60Hzの周波数の違いがあり、選ぶ際は注意が必要。
- エアーリフト式とは比べ物にならない浄化能力
- 煩わしいメンテナンスを必要としない
- 製品によっては音が気になるタイプも
ベンチュリー式についてもっと詳しく:ベンチュリー式プロテインスキマーとは?構造と気になる効果について!
オススメのプロテインスキマー
プロテインスキマーはベンチュリー式のものが圧倒的にオススメです。
エアリフト式は値段の割にあまりゴミを除去してくれないのに咥えて、メンテナンスがとても面倒です。
水槽に手を入れてスキマーを取り出して・・・ウッドストーンを外して・・・カッターで削って・・・戻して・・・などとやるくらいなら換水したほうがかえって楽なくらいで、結局取り外す人も結構います。
ウッドストーンは400円ぐらいしますが定期的に交換となるとランニングコストも結構かかってしまいます。
その点ベンチュリー式のものは水中ポンプで泡を生成するため上記のようなデメリットがありませんし、何よりゴミの除去効果は比べ物になりません。
値段は2倍以上しますがその価値はあります。
せっかくなのでオススメのベンチュリー式プロテインスキマーを紹介しておきます。
カミハタ 海道達磨
ベンチュリー式プロテインスキマーは水中ポンプがスペースをとるため、オーバーフロー水槽に設置するものばかり。
しかしながら海道達磨は外掛けユニットが付属しており、サンプの無い水槽や小型水槽にも設置することができるプロテインスキマーです。
ゴミの除去能力も高く水換え無しシステムも十分可能です。
メンテナンスは基本的にダストカップに溜まった汚水を捨てるだけで楽ちんです。
外掛けユニットから取り外してサンプに設置できるようにもなっているため、後々オーバーフロー水槽へスペックアップする場合にも無駄になりにくいメリットがあります。
また外掛けができる他のベンチュリー式スキマーと比べて静穏性が高いのも良いでしょう。

関連カミハタ、海道達磨の使用レビュー!性能や泡戻り、飼育できる魚の数など!
RLSS R5-i
オーバーフロー水槽でサンプ水槽がある場合はサンプ設置式のプロテインスキマーがオススメです。
メインタンクで使っているのはRLSSのR5-i。
強力なDCポンプによる駆動で強力な泡を発生させますので、その性能は外掛け式のものを大きく上回っています。
海道達磨から乗り換えて使っていますが、より細かく更に大量な泡を生成し、肝心の除去能力は体感3~4倍は違うかなと感じています。
魚を多く飼いたい場合はオススメできるプロテインスキマーです。

関連強力・定番の最高峰DCスキマー、RLSS R5-iのレビュー!除去能力や使い勝手など!
まとめ
プロテインスキマーは海水では是非とも設置したいアイテム。
汚れの元を水槽外に排出するので、かなり水が汚れにくくなります。
水が汚れにくくなればサンゴが飼育できたり、水換えそのものが無くなったりと良いことづくめ
手間がかかる水換えと比べ、ダストカップの汚水を捨てるだけの簡単メンテナンス。
プロテインスキマーはかなりオススメの器具で(というか私には必須の器具)、是非設置することをオススメします。
選ぶ際はベンチュリー式のものが良いでしょう。
プロテインスキマーあれこれ:
・カミハタ、海道達磨の使用レビュー!性能や泡戻り、飼育できる魚の数など!
・エアーリフト式プロテインスキマーがダメなワケ!性能・手入れなど!
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