水槽に生える黒ヒゲ状のコケの原因と対策!除去や食べる生物など

熱帯魚、水草を維持する上で最も厄介な存在がコケ。

そのうち黒ヒゲ状のコケは対処や除去が難しく、飼育する楽しさを損なう非常に厄介なヤツです。

そんな黒ヒゲ状のコケの発生原因、まず行う対処方法、コケを食べる生物、発生しにくい環境作りを解説。

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原因

硝酸塩濃度測定キット

黒ヒゲ状のコケは「リン」と「ある程度の硝酸塩濃度」、「ある程度の光」があれば繁茂します。

リンは魚のフン・エサの食べ残し、水草の枯葉から生成され、硝酸塩は魚の排泄物から生成されます。

端的によって水が汚れているから繁茂するワケなんですが、少しの汚れでも生えてしまうのが厄介たらしめるポイント。

その他、よくコケ取りとして入れられるエビ類やオトシンクルス類がほぼ食べないのも非常に厄介です。

木酢液による除去リスク

木酢液除去する手段として最も有効なのは木酢液を黒ヒゲ状のコケに塗ること。

木酢液はかなり強い酸性でコケにダメージを与えて滅殺することができます。

しかし強力な分リスクも多く、少しでも水に溶けたら水草の調子が悪くなり、また水槽内のバクテリアが死滅して魚や水草が育たない環境になってしまうことも

石や流木など取り出せるモノであれば効果的ですが、それらだけにコケが生えるってことは無く、原因を解決しない限りはまた生えてくるのでその場しのぎにしかなりません

個人的には局所的に対処せず、根本を解決して生えにくい環境にしてから行うほうがオススメです。

フィルターの掃除を行う

外部式フィルター(テトラVX)リンの発生源になっているのは主にフィルターです。

特に外部式フィルターは大きい分、汚れが蓄積しやすくリン酸生成器と化している場合があります。

一旦フィルターを清掃して溜まった汚れを吐き出し、ウールマットも取り替えましょう。

併せて水換え

水換えバケツとホース清掃を行ったら換水を行って水中のリン酸濃度を下げるのもポイント。

流木や石、水草でレイアウトしているなら汚れが溜まる箇所が少なからずできているので、入り組んだ場所にある汚れも吸い出しておくと効果的です。

リン酸吸着剤を使用する

有茎草の葉についた黒ひげ状のコケ濾材にはリン酸を吸着するものがあり、それを使うと黒ヒゲの栄養成分であるリン酸が除去されるのでコケが成長できなくなり、新しく生えなくなります。

使用期限があるので取り替える必要はありますが、効果は非常に高いです。

活性炭やアンモニア吸着剤はリン酸を吸着しませんので、リン酸吸着剤を使用しましょう。

ただあまりにもリン酸と硝酸塩の生成量が多い場合は追いつかないので、予めフィルターの清掃・生体の見直しを行った上で使用するのがポイントです。

外掛式フィルターと併用すると良い

外掛け式フィルター(テトラAT-20)水槽内に放り込むだけでも使用できますが美観を損ねます。

外部式フィルターを使用している場合は濾材として組み込めば良いのですが、正直交換が面倒。

そういう場合は外掛け式フィルターに入れて使うのがオススメです。
美観を損ねず、平置きした場合と比べて水が回るので除去効果も上がります

水草を増やして魚の数を減らす

ラスボラ・ヘテロモルファの群れ黒ヒゲ状のコケは「リン」と「硝酸塩」ですが、それらはそれぞれ魚の排泄から生成されます。

あまりに魚の数が多すぎる場合はどれだけ対策しても無駄になってしまいます。
一度入れ過ぎでないかを見直してみましょう。

関連水槽に収納できる魚の数について。考え方と計算の仕方。

またリン、硝酸塩は水草が栄養として取り込むので、水草を繁茂させることで吸着させることができます。

水草が多く成長していて魚が控えめな環境は黒ヒゲ含む他のコケも出にくくなります

ただ枯葉は水草が吸収したリン酸の塊あり、放置すると分解されて吸収したリン酸が溶け出すので水換えやトリミングの際は枯葉や水草の破片できるだけ取り除くようにしましょう。

二酸化炭素添加も効果的

CO2添加している様子二酸化炭素の添加を行うと植物の成長が促進されるのでリン酸、硝酸塩の吸収能力を底上げすることができます。

成長スピードは何倍にもなり、つまり吸収量も何倍にもなるので「水草が多く植わっているもののコケが酷い」という場合は二酸化炭素を添加すると効果的です。

関連水草育成のCO2添加装置とは?構造と使い方、メリットなど

黒ヒゲゴケを食べる生物

葉のコケを食べるサイアミーズフライングフォックス黒ヒゲ状のコケを食べる生物は「サイアミーズフライングフォックス」です。

エビもほんの少し食べてくれますが、黒ヒゲ状のコケはマズいらしくお腹が空いている状態で他のコケが無い場合に限るのでほぼ期待できません。

サイアミーズフライングフォックスを入れる際はある程度大きいサイズ、できれば7cm以上の個体がオススメ

小さいものは食べる能力が弱く減りを実感しづらいのですが、ある程度のサイズであれば食べる量と削ぎ落とす力も強いため少しずつコケが無くなっていくのを実感できると思います。

ただしコケの生成量を抑えた上でサイアミーズフライングフォックスを入れないと「増える量>食べる量」となってしまうので、先述した方法を行って生成量を抑えた上で入れるのも重要です。

関連サイアミーズフライングフォックスの飼育情報。食べるコケなど

ひどい場合は遮光も行う

真っ暗

すぐに黒ヒゲ状のコケの生成を止めたい場合は遮光が効果的

真っ暗にするとコケは成長できなくなるため、サイアミーズフライングフォックスが食べた分だけ減っていきます。

僅かでも光が入るとコケが成長するのでできるだけ遮光を心がけるのがポイントです。

まとめ、個人的な所感

黒ひげ状のコケ黒ヒゲ状のコケは他のコケと比べて、少ない汚れでも生育し、除去する手段が限られているのが非常に厄介

木酢液や全清掃などを行いがちですが、原因を解決しないとまた生えるので根本改善を行うことが重要です。
綺麗に掃除するのはコケの勢いが落ちてから。

発生した場合はまずフィルターを清掃してリン酸の生成を抑え、サイアミーズフライングフォックスを入れます

サイアミはある程度大きいのが効果的。小さいと除去能力は低めです。
また、多めのほうが少なくなってくるのが実感できると思います。

それでも落ちない場合は魚の数を見直すか、リン酸吸着剤を使用してみると良いでしょう。

サイアミーズフライングフォックスを見てみる:サイアミーズフライングフォックスの飼育情報。食べるコケなど

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