水草育成のCO2添加装置とは?構造と使い方、メリットなど。

水草水槽を作る上で重要な機器がCO2添加装置です。
CO2を添加することで様々な恩恵があり、水草育成にはほぼ必須アイテムの1つ。
そんなCO2添加装置について、得られるメリットや構造、使い方、必要なコストなどを紹介していきます。
CO2添加による効果、メリット
植物は「光合成」によって成長します。
光合成は「光」と「二酸化炭素」が必要になりますが、光の量に対して二酸化炭素が不足しがち。
つまり、光があっても二酸化炭素がないので成長ができない状態になっているんです。
不足している二酸化炭素を添加することにより、植物の成長を早める効果があります。
そもそも水草の成長は遅いので通常であれば水槽の完成は年単位でかかってしまうもの。
CO2を添加することにより早ければ数ヶ月ほどで作ることができます。
失敗を防止できる
植物の成長を促進することは「コケの抑止」、「枯れにくさ」に繋がります。
コケが生えやすい環境は水草の勢いが無い場合です。
使い切れない栄養や葉があまり活性していないことにより水草の葉に付着して水草を弱らせてしまいます。
また新しく入れた水草はまず環境に適応しようとしますが、体力を多く使ってしまうので適応できずに枯れてしまうこともあります。
CO2添加を行っていれば成長を早めることができ、コケが付着して枯れてしまうことや、環境に適応できずに枯れてしまうリスクも下げることができます。
関連水草育成にCO2発生装置って必要?メリットと必要性を解説
多い光量にこそCO2添加すべき
ライトはそこそこ良い物を選んでいる方は多いのですが、二酸化炭素も添加している方は少なく、非常に勿体無いと思います。
先述したように水草の成長には「光」と「二酸化炭素」があって始めて成り立ちます。
陰性水草でもない限り光を多く必要とはしますが、同時に二酸化炭素も無いとあまり意味がありません。
pHを下げることができる
その他二酸化炭素の添加はpHを下げる働きがあります。
大部分の熱帯魚はアマゾン川や東南アジアに生息するもので、これらは低いpHを好みます。
しかし砂利系の底床を使用している場合、pHが高くなり魚に負担をかけてしまいます。
二酸化炭素を添加すればpHが下がりますので、魚に適切な水質にすることができます。
イオン吸着剤などの濾材を使う手もありますが、交換コストがかかってしまうので、CO2添加をしたほうが良い場合も。
水草育成にもメリットもあります。
CO2発生装置(ボンベ式)の構造
ボンベ式のCO2添加器は以下の部品から構成されています。
- CO2ボンベ
- レギュレーター
- スピードコントローラー
- 耐圧チューブ
- 逆止弁
- バブルカウンター
- CO2拡散器
上記は最低限の部品で、これに加え「バルブor電磁弁」を追加して使用されます。
CO2ボンベ
CO2が入ったボンベです。
レギュレータ
CO2ボンベはかなり高い圧力となっており、これを減圧して取り出せるようにするのが「レギュレーター」です。
CO2ボンベに取り付けます。
スピードコントローラー
スピードコントローラーはCO2の量を調節するものです。
略してスピコン。
ネジなどを回して量を調節します。
これがないとレギュレータからドドドッと二酸化炭素が流れてきてしまいます。
レギュレータにスピコンがついているタイプもあり、先程紹介したレギュレータもネジにより調節ができるようになっているタイプのものです。
逆止弁
逆止弁は水の逆流を防止するアイテムです。
水位より高い位置に設置してもCO2の仕組み上逆流してしまうので必要になります。
耐圧チューブ

機器の接続には耐圧チューブを使用します。
高い圧力がかかるので通常のチューブだと圧力で外れてしまうか、破裂してしまいます。
逆止弁以降は高い圧力がかかからないので、通常のチューブでもOKです。
バルブ・電磁弁
バルブはCO2排出の開閉をするものです。
スピコンでやれば良いのですが、CO2添加量の調整は難しく時間がかかるため通常はバルブで行います。
電磁弁はコンセントに刺さっているとバルブが開くもので、24時間タイマーと繋げることで自動的にON/OFFができるアイテムです。
バブルカウンター
バブルカウンターはCO2の添加量を見えるようにするものです。
泡粒が水面に浮くのを利用して、1秒に何適か、という尺度で数値化します。
CO2拡散器・CO2ストーン
最後にCO2拡散器ですが、微細な泡で出すことにより効率よく二酸化炭素を水中に溶け込ませるアイテムです。
でかい泡粒だと表面積が小さいので効率が悪いのですが、小さな泡は溶け込む面が大きくより多くの二酸化を溶け込ませることができます。
画像のものはバブルカウンターもついているタイプです。
再度CO2機器を見てみましょう。
色々部品がありハードルが高いように感じますが、1つ1つの部品は単純なので思ったより難しくは感じられないと思いますよ。
「CO2ボンベ → レギュレータ → スピコン → バルブor電磁弁 → 逆止弁 → バブルカウンター → CO2拡散器」といった具合ですね。
高い圧力がかかるため機器の接続には基本的に耐圧チューブを使用し、逆止弁以降は通常チューブでもOKです。
使い方・添加量
照明の点灯に連動してCO2の添加を行います。
バブルカウンターを見ながら目的の添加量になるようスピコンを調節して出していきます。
一度調節したら基本的にはバルブまたは電磁弁にてON/OFFを行います。
ただボンベの残り容量によって圧力が変わってくるため、定期的にチェックして排出量が変わっているなら再調整を行う必要があります。
添加量の目安
添加量は照明や水草の種類・量にも変わってきます。
水草が多いとそれだけ消費される二酸化炭素は多くなりますし、光量が多いと比例して二酸化炭素が必要になります。
そのため一概には言えませんが、目安となるのは以下です。
30cm水槽:1秒0.5適~1.5適
45cm水槽:1秒1適~2適
60cm水槽:1秒1適~3適
そのほかバブルカウンターの大きさによっても多少変わってくるので、上記を目安にしつつ自分の環境で多い方少ない方を試してみて調子が良くなったか?成長が早かったか?を観察しながら調節していくのが正解です。
また水中のpHを下げたいときも多めのCO2を添加しますね。
価格
最後にCO2添加装置の価格ですが、全て揃えた場合は1~2万円ほどが目安になります。
始めて購入する場合はCO2のフルセットがオススメ。
安いものだと1万円から揃いますが、レギュレータだけ注意したいところ。
安物のレギュレータだとすぐパッキンが劣化して空気漏れが出てしまい、結果的に高く付きます。
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ランニングコスト
CO2ボンベは無くなったら取り替える必要があります。
最も多く販売されている74gのボンベだと秒間1滴で1ヶ月~2ヶ月ほど持ちます。
ボンベは1本あたり400円ぐらいなので年間でみると2000円~4000円ほど維持費がかかる計算ですね。
まとめ、個人的な所感
水草水槽では二酸化炭素の添加が非常に重要で、ほぼ必須と言っても良い器具です。
ただやっぱりハードルが高いので、ソイル、照明までは用意できるものの二酸化炭素は後回しにされることも多いのですが、植物の育成のためには「光・栄養・二酸化炭素」これらはどれも欠けてはいけませんし、他の要素で補うことはできません。
ソイル・照明が揃っている環境であれば二酸化炭素の添加でかなりの効果がありますし、ソイルじゃない場合でもやっぱり違うなと感じ取れるほど効果があります。
特にコケの付き方が違いますね。
ハードルは高い設備かもしれませんが、身近に感じてもらえたら幸いです。
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