短くフサフサしたコケの除去・対策方法。食べる生物とか。

成長の遅い水草や底に生える短い糸状で、黒や緑のフサフサした毛布のようなコケ。
除去しにくく美観を損ねてしまう厄介な存在です。
黒いものは黒髭状コケと似ているのですが別物。
そんなフサフサしたコケについて除去および食べる生物などの対策方法を解説。
フサフサしたコケについて
栄養・照明・水草のバランスが少しでも崩れると生える条件が整うコケで、ほかのコケが無くなり安定してきた時期に出るコケです。
あと汚れ・栄養が溜まりやすい箇所に発生しやすく、流れの無い箇所つまり前景草に生えることの多いのも特徴。
除去が難しくコケ取り生物も効果が薄いので、一度生えると除去は非常に困難。
手がつけられなくなるとリスクの大きい薬品類を投与するか、リセットするしか無くなるほど。
コケの中では黒髭状ゴケを抜いて、一番厄介なコケだと思います。

他のコケとの混合に注意
このコケは他のタイプのコケとよく似ているのですが、対処方法・食べる生物が違うので混同しないように注意が必要です。
「アオミドロ」である糸状ゴケは、長く伸びない点で区別が可能です。
黒いタイプは「黒髭状のコケ」とよく似ていますが、あちらは1点を放射線状に生えるのに対し、こちらは球状にならず1本1本バラバラで生えてきます。


アオミドロにはヤマトヌマエビ・ペンシルフィッシュ(ナノストム)、黒髭状にはサイアミーズフライングフォックスが効果的ですが、それらのコケ取り生物はこのコケには効果がありません。
ショップ店員さんなどに症状を話し、アドバイスをもらってもここが間違うと意味がありませんので要注意です。
関連アオミドロ(とろろ状、糸状ゴケ)の原因と対策。食べる生物とか
関連水槽に生える黒ヒゲ状のコケの原因と対策!除去や食べる生物など
食べる生物、コケ取り
色々試しましたがこのコケに効果があるのは「ミナミヌマエビ」などの小型エビです。
食べる量が少なく、少量入れても効果がありませんので多めに入れることがポイント。
最低でも30cmで20匹以上、60cmで40匹ぐらいは欲しいところです。
つきたての初期ならミナミヌマエビを大量に入れればそのまま収まることもあります。

ヘアーグラスとソイルに付いてしまったコケが・・・

効果てきめんというワケでは無い
が、残念ながら効果テキメンというわけではありません。
というのもエビは柔らかい生えたてのコケしか駆除してくれず、古く大きく定着したコケは全く減らないのです。
さきほどの画像のように一部分が生えだしたタイミングでは効果があるのですが、対応が遅れて固く定着してしまったらミナミヌマエビでは食べることができなくなります。


減ったが大きくフサフサした部分が残ってしまってる。
ミナミヌマエビはあくまでも生えたての初期や予防として程度の効果しか無いのです。
関連ミナミヌマエビの飼育情報。食べるコケや飼育のポイントとか
ヤマトヌマエビは食べない・・・こともないけど
「ミナミヌマエビが食べるんだからヤマトヌマエビの方が効果がありそう」と思いがちですが、ヤマトヌマエビでは適していないことが多いです。
確かにヤマトヌマエビも食べるんですが、柔らかく美味しい水草があるとコケよりもそちらを先に食べてしまうのです。
ロタラやブリクサなどの水草がある場合、このコケをそっちのけでそれらの水草を食べます。
このため水草を食べてしまう危険性が少ない小さなミナミヌマエビのほうがオススメ。
ただしアヌビアスやミクロソリウムなどの硬い水草ばかりの水槽の場合はヤマトヌマエビのほうが良いでしょう。


食われています。
短いフサフサしたコケの対処法
短いフサフサしたコケは対処が難しいとはいえコケの1つ。
「水草」の成長スピードに合わせて「栄養」・「照明」のバランスが取れていれば生えにくくなります。
(ただ少しでもバランスが崩れると生えてくるのがこのコケを厄介たらしめているのですが・・)
ようは水草の成長量に合わせて、栄養・汚れ・照明を抑えること。
つまり照明時間を減らし、一週間に1回~2回の定期的な水換えで汚れを排出しつつ、CO2添加を行い水草の成長量を増やすことでバランスを取ります。
特に対処しやすいのは照明時間。
8時間照明なら4時間~6時間にするだけでもコケの増殖スピードは収まります。
換水頻度を増やすのは大変ですが、照明時間を減らすのはタイマー設定だけなのでカンタンです。
フィルター内の蓄積物から過剰栄養となりやすいリン酸などが供給されるため、念の為フィルターの清掃も行っておきましょう。
もちろんミナミヌマエビの投下も忘れずに。
付いた部分はカット
時間経って固く定着した部分はそのままにしてもエビが食べれませんので全部カットします。
ショートヘアーグラスなどは本体が地中に生えているので全部カットしてもまた生えてきますので、躊躇なくやっちゃいましょう。
しばらくするとまた生えてきます。


この時のポイントは必ず環境を改善した上で全カットすること。
カットするだけではまたコケが生えてきますので、先述した環境の見直しを行い、コケが生えにくくなってからしないと意味がありません。
ひどい場合はリセットか完全遮光
コケが多く繁茂してしまった場合は植物を全カットして再起を狙うより、いっそのことリセットしてしまった方が良いです。
リセット後の水槽は以前と同じようにしてもまたコケが生える環境になりますから、より水草に対して「栄養(汚れ)」・「照明時間」のバランスをとるように努めて下さい。
リセットを余儀なくされる前に早め早めの対応がコケ対処の基本です。
完全遮光
また完全遮光してしまうのも効果があります。
ダンボールや光を通さないカーテン布なので真っ暗にしてしまえば、コケは体を維持できずにだんだんと崩れてきます。
水草にも影響がありますがこちらは体力が高くすぐには枯れませんし、ダメージを受けた場合でもすぐに健康な葉が伸びてきます。
エビを入れておけば崩れたコケを食べてくれるのでより効果的ですし、エビを食べるエンゼルフィッシュがいるような水槽でもこの方法は有効です。
ただ元の環境に戻すだけではまたコケが生えますから、この方法でも水草の成長に対してバランスを取るよう環境に改善してから行うべきです。
まとめ、個人的な所感
コケは「水草」に対し、「栄養(汚れ)」と「照明」のバランスが取れていないと出現し、短いフサフサしたコケは少しでも崩れると生える条件が整います。
バランスが少しずつとれ他のコケが無くなったタイミングで出現しだし、固く除去が困難なためコケの中では一番厄介なヤツ。
ショップでよくオススメされるヤマトヌマエビやオトシンクルスでは効果がないことも非常に厄介者たらしめています。
とはいえ基本に忠実であれば抑えることは可能なので、早め早めに対処するようにしましょう。
(放置してるとリセットするしかなくなります(´;ω;`))
- ミナミヌマエビが食べてくれるが硬いもの古いものは食べない。どちらかというと生えたて・予防目的として。
- ヤマトヌマエビは美味しい水草があると先にそちらを食べるので注意
- 照明時間を減らしつつ、COの添加を行うなどして水草の成長に合わせて「栄養(汚れ)」、「照明」をコントロールする
- 付着した葉は全カットする
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