ウーパールーパーのぷかぷか病について。原因や治し方。
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ウーパールーパーの最もかかりやすい病気である「ぷかぷか病」について。
浮いてしまう原因と正しい処置、かからないようにするための環境づくりなどを解説していきます。
また、初心者にありがちな誤った処置などもあげていきます。
ぷかぷか病とは
健康なウーパールーパーは水底で歩くようにして生活していますが、ぷかぷか病とは名前の通り水面にぷかぷか浮いてしまう症状のことです。
浮遊してはいるものの身体は水平に保っている程度のものであればまだ問題にはなりません。
しかしぷかぷか病が進行してしまうと身体が傾くまでになり、最終的には身体がひっくり返って転覆します。
そうなるとエサを食べることができなくなり、また身体を戻そうと体力も消耗するため最終的には衰弱して死亡してしまいます。
特に赤ちゃんウーパールーパーは身体が軽いためぷかぷか病になりやすく、体力も少なく絶食にも弱いため死亡する要因としてはかなり多い病気です。
そのため身体が水平を保っているうちに対策を行うことが重要になります。
ぷかぷか病の原因
ぷかぷか病は腸内の食べ物が発酵してガスが出ることが原因です。
特にウーパールーパーのエサとして売られている人工飼料は腸内で発酵しやすく、ぷかぷか病で死なせる飼育者はエサに人工飼料を与えているケースが大抵です。
人工飼料にはつなぎ(形を保ったり水を吸収して沈下させる材料)である小麦粉やでんぷんなどの穀物類が入っていますが、これは体内で長く残ってしまうと発酵しやすくぷかぷか病を誘発します。
人間で例えるとジャガイモやサツマイモなどを多く食べてお腹にガスが溜まるイメージで、そのガスによってぷかぷか浮いてしまっているということです。
そもそもウーパールーパーは肉食性の生き物であるため小麦粉・でんぷん類はほぼ消化できませんのである意味消化不良とも言えます。
その他エサを与えすぎや、水温が高いことや、水質が悪いことが原因と言われることもありますがこれらはぷかぷか病とは直接的な原因ではありません。
ウーパールーパーはときおり水面から空気を吸うような行動をとることがありますが、この行動でもお腹に空気が溜まって浮いてしまうことがあります。
ただこちらの方は放っておくと勝手に沈むようになるので特に気にする必要はありません。
(そもそも空気吸い込みによる浮きは「ぷかぷか病」とは言えない気がします)
ぷかぷか病の処置・治療
ぷかぷか病になった時、人工飼料を与えているのであればそれが原因ですので与えるのを中止して冷凍赤虫に切り換えます。
続けて人工飼料を与えると更に発酵の燃料を与えてしまうことになりますのでエサの切り換えは(基本的には)必須です。
ぷかぷか病になったら絶食して治療する場合もありますが、7cm未満の赤ちゃんウーパールーパーだと絶食自体がキツいので毎日冷凍赤虫を与えた方が良いでしょう。
可能であれば行いたい
毎日換水
水換えは新陳代謝を促進してフン・ガスの排出を促すことができますので、可能であれば毎日換水を行いましょう。
ただし毎日水換えする際、水温はしっかり合わせないと今度は水温変化で体力を消耗して衰弱死してしまうので注意が必要です。
(水温はしっかり合わせること!)
水温を”安定して”下げる
水温が高いとお腹が発酵しやすくなるため可能であれば部屋用クーラーまたは水槽用クーラーを使って温度を下げます。
可能であれば20℃まで下げたいのですが、それを実現すると部屋のクーラーだとフル稼働で寒いですし、水槽用クーラーは非常に高価(ポンプ含めて5万くらい)なのでハードルは高めです。
水平に保っているうちに対処できればここは実施しなくても治療できることが多いので優先度は低くなります。
ただし30℃近いと人工飼料がとても発酵しやすいので、その場合は安価な水槽用ファンでも有用なので設置した方が良いでしょう。
よくある質問
「水位を下げた方が良い」とネットで見ましたが、下げなくて良いのでしょうか?
横転まで進行した場合、水位をギリギリまで下げることでウーパールーパーは姿勢を保ちやすくなり、かつエサも食べやすくなります。
しかし単純に水槽の水を抜くのはNGです。
単純に水槽の水量を少なくしてしまうと水量が減ることにより「水質の悪化するスピードがとんでもなく早くなる」「水温変化が激しくなる」ということになり、ウーパールーパーの体力を奪ってぷかぷか病とは関係なしに死にます。
(例えばウーパールーパーがオシッコするとそのまま尿の毒素がウーパールーパーに返ってしまって苦しめます)
ぷかぷか病の時の正しい水位の下げ方は熱帯魚用に売られている隔離ケース(底穴にスリットがあるモノ)を水面ギリギリになるよう設置し、その中にウーパールーパーを入れることです。
上記のようになれば水量も変わらず水位を調整することができます。
(なお写真で使ってるのはコトブキのワンルームハウスデラックスですが小さいので赤ちゃんウーパールーパー向け)
ぷかぷか病になったら絶食させると聞きましたが絶食させるべきでしょうか?
ある程度育ったウーパールーパーはぷかぷか病を解消するために人工飼料を絶食して沈むまで待つ治療を行うこともあります。
しかし7cm未満の小さいウーパールーパーには絶食させるのはオススメできません。
というのはウーパールーパーは小さければ小さいほど多く食事回数が必要なため、下手に絶食すると逆に痩せこけて弱ってしまうことに繋がるからです。
(絶食に対する耐性がありません)
一度衰弱状態になれば食欲も減ってしまい、ぷかぷか病から脱しても拒食して復帰が困難になります。
そのため小さいウーパールーパーは絶食してガス抜きさせるよりも、赤虫で早く成長させて乗り切るような治療を行いましょう。
氷を入れて冷やした方が良いのでしょうか?
ウーパールーパーは水温変化で急激に体力を消耗する生き物です。
氷で温度を下げるとどうしても下がったり上がったりの繰り返しになりますので、ぷかぷか病とは関係なしに水温変化で死なせてしまいます。
飼育でグッっと温度を下げる際にはゼンスイのZC-100αなどの水槽用クーラーを使って下さい。
お腹をもんだり針をさして空気を抜いた方が良いと聞きましたが大丈夫でしょうか?
どう考えても素人がやるのはおかしい処置であることは明らかです。
犬やネコの場合お腹をマッサージすると便秘が解消されるというのはありますが、ウーパールーパーに関しては犬やネコほど治験が進んでおらずどこをどのくらいの力の強さで押したら良いのかが一般の飼育者レベルでは知り得ることが不可能です。
よく分からないままマッサージしてもウーパールーパーを痛めつける行為にしかなりません。
中には藁にもすがる思いで実行される飼育者もいますが、動物病院にいって知見のある獣医師に判断を仰ぎましょう。
人工飼料のままでなんとか治療する方法はありませんか?
温度が高いと発酵しやすいと述べましたが、温度を15℃くらいまで下げれば人工飼料でも問題なくなるウーパールーパーも増えます。
ウーパールーパーとして売られている人工飼料は赤ちゃんウパには非常に適していないと私は感じていますが、そもそも人工飼料を作っているメーカーはウーパールーパーが本来住む冷たい水温でエサが問題ないことを評価している可能性もあり、温度をガツンと下げてしまえば全く問題なくなる可能性がありますね。
しかしながら温度を安定的に15℃にするためには水槽用クーラーの設置が不可欠で、それがポンプも含めると5万ぐらいするためハードルは非常に高いのが現実です。
(そもそも温度を下げても穀物・でんぷん類がほぼ消化できないのに代わりはないのですが・・・)
なお成長して若い大人(ヤング)になれば身体が重くなってぷかぷか病にはなりにくくなるので、大きなウーパールーパーにしてしまえば人工飼料でも全く問題ない場合が多くなります。
(なのでとっとと冷凍赤虫で大きくさせるのが育成のセオリー)
小麦粉やでんぷん類が入っていない人工飼料はありますか?
昆虫食のトカゲ用のエサで使われている「レパシーのグラブパイ」は、粉末をお湯で練って形を作るタイプのエサで形を保つためのつなぎが入っていません。
ウーパールーパーは昆虫食もいけますのでこれを代用して使えば、冷凍赤虫を使わずともぷかぷか病のリスクが少なくなります。
その他キョーリンから発売されている半生のレオパゲルもつなぎが入っておらず、ちぎって与えてみるのも良いでしょう。
(ただし類似製品として乾燥エサのレオパドライはつなぎが入っていますので注意。あと冷凍赤虫の方が成長は段違いに早い)
冷凍赤虫しか与えていないのにも関わらず浮いているんですが大丈夫でしょうか?
冷凍赤虫しか与えてない場合でも浮くことは普通に目にします。
しかし転覆までいくことは基本的になく、そのまま普通に成長していきいずれ沈むようになりますので心配は不要です。
食べているようであれば気にせずどんどん冷凍赤虫を与えて大きくしてやりましょう。
おわりに
メーカーやペットショップのサイト・SNSでは水温、水質、絶食で対処するとよく目にするのですが、そういう対処をいくらやろうが一番多い根本原因は「人工飼料」です。
小さいウーパールーパーは軽いため浮きやすく、また体力が低く絶食にも弱いため「ぷかぷか病」は死の病気。
飼育が簡単なウーパールーパーですが初期エサとして人工飼料を選択すると難易度が跳ね上がりますので、ウーパールーパーのことを思うならまずは冷凍赤虫を初期エサに選びましょう。
(大きくなれば人工飼料でも大丈夫になりますので・・・)
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この記事へのコメント
とても分かりやすかったです
今度は ウーパールーパーの種類
も教えてください
2週間以上ウーパールーパーが浮いたまま傾いています。エサは冷凍赤虫を与えていましたが、エサを与えることもやめて、2週間ほどですがずっと浮いたままで、潜ろうとしているそぶりはしています。この場合どのような対処をすればよろしいでしょうか?
冷凍アカムシでも浮く場合は体質によるところが大きいので、一度両生類に知見のある獣医師に診てもらうのをオススメします。
私もウーパールーパーかっているんですが…浮きます。でもそれは、べんぴみたいですが…いったいどっちか、わからないから教えてくれたら、幸いです!!
流石にこれだけじゃ分かりません(´;ω;`)。分からない時は病院へ!
お久しぶりです。
また相談に乗っていただきたいことがあります。
現在17cm位のアルビノですが、元々あまり人工飼料は食べません。釣り餌のミミズなどは好んで食べますが、ここ1週間位食べなくなりました。
季節の変わり目で、北国でも気温が暑かったり寒かったりと、変化があります。因みに今日は蒸し暑く、週末には2/3水換えしています(後平日にも1/3程度替えています)
水換えする度に、水温チェックはしていますが、白い肌が赤くなります。
ここ一週間くらい死んだのかしら、と思うほどでした。
どうしたらいいのでしょうか?
追伸、
それで、プカーっと浮いたままなんです。
もう、助けてあげられないのでしょうか?
今朝、亡くなりました
>>3,4,5
お力になれず申し訳ございません(´;ω;`)。
病気は問診しないと手がかりがつかめませんのでもし他の子が怪しい場合は、調べてもご自身の手に負えないようでしたら獣医師への選択肢も検討してみて下さい。
お悔やみ申し上げます。
ウーパールーパーの情報提供ありがとうございます!どうやら我が家のウーパールーパーはプカプカ病になってしまったようです😢ここに書いてある対処法を上手く使いながらプカプカ病を治していこうと思います!情報提供ありがとうございました!
7cm未満で横転しているんですがもうダメですかね。
>>8
7cmだとまだ割りと横転するのは一定数います。
死ぬとも大丈夫とも言えないですが、何もしないともう死ぬと思って即行動に移した方が結果が良くなる可能性が高いです。
(;ワ;)
飼いたいからえるようになったら買って育ててるとききおつけます
ぷかぷかびょうにかかたので書いてあることをやってみます!
はじめまして、家のウーパールーパーがぷかぷか病にかかってしまいこの記事を見てアカムシをあげるといいと書いてあったのであげようとしたんですけど、食べてくれませんなぜなんでしょうか、もし原因がわかったら教えてほしいです、お願いします、、、
>>12
はじめまして。
乾燥や半生ではなく”冷凍”赤虫ですよね?
ウーパールーパーの大きさはどれぐらいでしょうか??
1~2cmの幼体?のウーパールーパーが最初水深15cmの水槽に入れてみたんですがお腹に空気かガスが溜まっているのか、水面で浮くようになり、沈むエサ冷凍赤虫で一気に大きくしようと思っていたので、水深2~3cmにして、冷凍赤虫で4ヶ月で5~6cmの成体?にしてから、いざ水深15cmにしてたら水底で沈むので大丈夫かな。と思ったので沈む人工飼料を1粒あげてみたら、プカプカ浮くようになってしまいました。絶食するのが良いとこのサイトの記事に書かれていたので絶食を5日ほどしましたが、プカプカ病が治らなく絶食して死んでしまうのでは?と不安になり、水深を下げてエサを与えました。絶食はどのくらいの期間なら大丈夫で、絶食してもプカプカ病が治らなかったらどうすれば良いですか?
>>14
> 絶食するのが良いとこのサイトの記事に書かれていたので
本当にこのサイトの記事読んでくれましたか?
恐れ入りますが別のウェブサイトと勘違いされてるのかと・・・。
(当サイトでは小さなウパちゃんには絶食は推奨しておりませんので・・・)
> 絶食はどのくらいの期間なら大丈夫で、絶食してもプカプカ病が治らなかったらどうすれば良いですか?
5cmくらいであれば丸3日間ぐらいかと思います。
しかしながら多少浮くぐらいならアカムシ食わせまくった方が良いでしょう。
^ワ^
餌をくだけば、だいじょうぶでしょうか?_(._.)_
>>16
エサを砕いても中身は同じなのであまり効果的とは言えません。
^ワ^
ウパルーパーのいろんなことがわかた。