ランプロローグス・オセラータスの特徴・飼育・繁殖情報

ランプロローグス・オセラータス | |
---|---|
大きさ目安 | 5cm |
飼育難易度 | 気をつけたい |
適応水質 | △:弱酸性 ◎:中性 ◎:弱アルカリ性 |
性格 | 少し注意 |
群れやすさ | 群れない。 |
遊泳 | 下層の住居(巻き貝)付近で活動 |
値段の目安 | 2000円~3500円 |
別名 | ランプロローグス・オケラータス(学名ocellatusの読み方の違い) |
スポンサー
主な特徴
「ランプロローグス・オセラータス(オケラータス)」はアフリカのタンガニィカ湖の小型巻き貝シクリッド。
巻き貝シクリッドと言われるグループで、死んだ巻き貝が点在してある環境で棲んでおり、敵がきた時に貝の中に隠れたり、卵も貝の中に産み付ける面白い習性があります。
巻き貝シクリッドとしては「ネオランプロローグス・ブリチャージ(プルチャー)」が定番ですが、こちらは5cmほどとかなり小型なのでマイナーながらも昔から今でも馴染みがある魚。
グレーっぽい体色が基本色ですが、「ゴールド」と言われる黄色い地域バリエーションのも流通します。
昔はネオランプロローグス属(Neolamprologus)に分類されていましたので、現在でも「ネオランプロローグス・オセラータス」として販売されていることが多いです。
(あとランプロログスとかオケラータスとも呼ばれ、これらはアルファベット発音解釈の違い)

混泳・性格
住居にした巻き貝に近づく魚には攻撃的で激しく追い払おうとしますが、住居に近づかないような魚には基本的には無関心です。
そのため中層や上層を遊泳する魚とは混泳が可能です。
また口が結構大きいため小型エビ類との混泳には向いていません。(食べられます)
同種同士は強く追い払う
同種同士であれば住居から遠くに追いやろうとしますので、水槽サイズおよび収容数には注意が必要です。
アダルトサイズの場合、同種同士を複数収容する場合は最低で45cm水槽クラスは欲しいところ。
(45cmでペアが良いところ)
30cm水槽だといくら5cmほどの小さな魚とはいえ、強い個体が他の個体をすべて隅に追いやりがちになるのでオススメしません。
(3匹入れたら2匹は水槽隅にずっと追いやられて死ぬ)
飼育ポイント・注意点
アフリカンシクリッドは高pHで飼うのが基本ではありますが、ランプロローグス・オセラータスは水質の融通範囲が結構広く飼育は難しくありません。
通常のアフリカンシクリッドは細かいサンゴ砂を底砂として使ったり、粗目のサンゴ砂を濾過槽に入れたりしてアルカリ性の水質を保つのが必須ではありますが、オセラータスは硬度さえ維持すれば概ね大丈夫なくらいは水質に鈍感です。
(pHが6切ってもコンディション変わらず。が、あまりド低pHにはしないように)
もちろんサンゴ砂で弱アルカリ・高硬度で飼育するのも鉄板ですが、レイアウトのイメージで使いたくない、混泳の幅を広げたい、水草も少しは植えてみたいなどの場合は硬度をキープして飼うのも手でしょう。
補足すると石で硬度を維持する場合は、溶岩石とか木化石とか硬度をあまり上げないものは不適切で、青華石、龍王石など硬度を上げる作用の方を使用しましょう。
(僕が使ってるのは青華石と龍王石)
もちろん底砂に細目のサンゴ砂を使用するのも鉄板です。
おそらくコチラのほうが繁殖などは狙いやすいでしょう。
エサ
エサは選り好みせずに何でも食べますが、フレークよりは顆粒の方が良いと感じます。
僕は「グロウ(大量で安い)」・「デルフレッシュフード(高いけど良いエサ)」をベースに「冷凍赤虫」などを適宜与えておりました。
巻き貝と砂利サイズ
この手の巻き貝シクリッドの飼育では必ず揃えたいのが「細かい砂」と「巻き貝」です。
別に無くても飼育自体に問題はないのですが、貝に潜る行動や、砂を掘って貝回りの整地をする行動などが観察できて楽しめます。
巻き貝は小さなサザエの殻やヤドカリ用の巻き貝、エスカルゴの殻などから魚がぴったり入れるぐらいのサイズのものを探してみましょう。
(現地ではネオタウマという貝に棲んでいますが、専門ショップですら入手が難しい)
砂は細目(パウダー一歩手前のサイズ)が扱いやすくてオススメです。
大きい砂だと掘ることができないため整地する行動を楽しめませんし、パウダーだと掃除がしにくいですね。


繁殖
環境を用意してやれば勝手に繁殖する魚です。
繁殖のポイントとしては
- 水槽サイズ:収納数に余裕をもたせるころ
- 魚が入ってピッタリぐらいの巻き貝を匹数分バラバラに設置すること
以上の条件を満たしていれば、雌雄が揃っていれば勝手に産卵行動を行います。
水槽サイズ

ランプロローグス・オセラータスは1匹のオスが広い縄張りを持っていて、その広い縄張りの中にメスを複数迎えて1つの所帯を持ちます。
オスの縄張りがかなり広いというのもありますが、メスであってもオスの住居貝から近いと追い払うため、ある程度の距離を用意できる水槽サイズが必須です。
オス1匹でメス1匹の場合、具体的には45cmサイズは必要です。L水槽の40cm水槽でも可かな?と思います。
(相性が相当良くないと30cmだとメスが追いやられて死ぬ)
オスが2匹の場合は60cm水槽むしろ90cmクラスまで必要になってくるので、スペースに限りがあるのならオスは1匹に留めておきましょう。
巻き貝
巻き貝の大きさが1匹丁度入れる程度の大きさということも大切ですが、巻き貝配置も重要なポイントです。
巻き貝同士が近いと当然ながら個体間の距離が近くなるので、オスがメスを追い払おうとします。
45cm水槽なら左手前・奥真ん中・右手前とか、左奥・右手前など貝を離して設置しておきましょう。(貝を置くスポット数はメスの匹数に合わせる)
というか現地の環境も、砂地にポツポツと貝が離れて置かれているタイプのシェル配置になるので離して置くのは現地再現でもあります。
砂と貝だけで見通しがガラ空きだとオスがすぐメスを見つけてちょっかいをかけやすくなるので少し大きめの石とか設置して視界を適度に塞ぐとなお良しです。
オスメスの見分け方
でかい水槽を用意できない限りはオスは必ず1匹で留めておきたいですし、可能ならばオス1メス1のペアで購入しておくのが理想。
しかしながら入荷でよくある小さなサイズだと明確な雌雄判別が出来ないのが一番繁殖の難しいところです。
ショップでオセラータスの雌雄を見分けようとする際のポイントを紹介しておきます。
オスを見分けるポイント

- オスはメスよりも少しだけ大きく成長が早いので、同日生まれのグループだと大きいのがオス
- 広い縄張りを主張する。
水槽内で石や貝など根城になり得るストラクチャーがあって、その回りを根城にして他の個体を追い払ってるのはほぼ間違いなくオス - 育った個体は背びれの前方エッジが濃いオレンジの傾向がある
- メスに対して身体が細長い
メスを見分けるポイント
- メスの方が最終サイズがやや小さく成長が遅いので、同日生まれのグループだと小さいのがメス
- メスはオスほど縄張りを主張しないので、他の個体と距離が近いやつはメスの確率が高い
- 育った個体は背びれと尻ビレ(特に背びれ)の後方エッジが明るい白の傾向がある
- 抱卵個体ははお腹が膨れる
- オスに対して身体が寸胴
オス1とメス1~2を狙おう

オスは先述した通り縄張りを主張して他のやつを寄せ付けず、なおかつ大きめの個体を選ぶと結構な確率でオスが選べます。
メスは判別しにくいものの大きさが小さく、縄張りを主張してないようなやつを1~2匹選ぶとメスの確率が高し。
(弱った個体と間違えないように)
これらを頭において選べば、ランダムにすくわれるよりは雌雄を揃えやすいです。
まぁ追加入荷でロットが入り混じってりして普通に外すこともあるんですが、そういった意味でも縄張り意識をあてにすればオスは比較的抜きやすいと思います。
孵化稚魚の育成
生まれたての稚魚はまずヨークサックの栄養で成長し、ヨークサックがなくなると遊泳を開始します。
遊泳を開始したら生まれたてのブラインを食べれますので、稚魚が目視できたり産卵してる兆候が見えたらブラインシュリンプを沸かし始めて備えましょう。
ブラインのハッチャーを2台運用して1日おきに交互に沸かすと生まれたての極小のブラインを与えやすくなるので2台体制が良いです。
(ブラインは生まれてから時間が経過するにつれ成長してデカくなって食えなくなるばかりか栄養も落ちるので、孵化して日数が経ったブラインは初期エサとしては相応しくない)
個人的な所感
アフリカンシクリッド自体が最近人気がないんですが、その中でもアフリカンシクリッドをまともに入荷してるお店なら「ランプロローグス・オセラータス」は定期的に入荷されるぐらいは根強いファンのいる魚。
(販売名は旧分類である「ネオランプロローグス・オセラータス」って書いてることが多い)
貝をしっかり住居とする巻き貝シクリッドでありサイズ感も小さいので「巻き貝シクリッドならネオランプロログス・ブリチャージよりオセラータスが飼いたいな~~」って子供の頃に思ってました。
飼育していると面白いのがやはり貝を中心に生活をすること。

貝を家にする習性はモチロンのこと、貝の入り口の向き・角度とかをシッポを使って砂利を掘って位置を調節していく様は「凄いな~~」と感心させられます。
そして掃除の時に見た目が良くなるよう貝の向きを整えてやったら、それが気に入らないらしくまた整地して元の角度に戻すというこだわりっぷり!
貝を取り合ってヒレを広げて威嚇バトルをしたり、自分の貝に別の個体が入ったら追い出そうとしたりする点もまた非常に興味深いです。
僕が見たかった巻き貝シクリッドの行動、それ以上の行動が観察できてとても感動しました。
また普段の泳ぎ方というか過ごし方が、砂地に胸鰭をたててハゼのごとく過ごすのでその点は他の熱帯魚にはなかなかなくてとても可愛い特筆ポイントだとも思います。
また顔もよくある熱帯魚の顔ではなく、正面から顔を見ると結構凶暴なハゼ顔をしており、犬に例えるなら小さなブルドッグみたいで面白いですね。

さて飼育に関しては、何世代も人の手で増やされているためか元々強いのかは分かりませんが、砂利敷いて石を入れてれば普通に飼えるという丈夫さなので、飼いやすさもオススメの熱帯魚であります。
(硬度だけは高くないとダメな模様で、そのために大きめの石を入れるとコンディションが維持できます)
45cm水槽上部式フィルターでエンゼルフィッシュとかカージナルテトラとかと適当ごちゃまぜ飼育していましたがまぁそれでも普通に問題なく飼えます。
ただ5cmというサイズの割に広い縄張りを要求する魚で、複数飼育なら最低でも45cmが必要です。
30cmキューブ水槽で単独で飼育をしたら1匹が持つ縄張りが意外の他広くて、1匹がすべての個体を隅に追いやったという経験もありました。

(全部メスだったら結果が違うのかな??)
ただ縄張り争いに発展しても、ドきついシクリッドのようにボロボロに噛み合って追い詰めて殺したりはせず、主なバトルは口とヒレを広げる威嚇のしあいなのでスグに片方が殺されちゃうといったことは無いので、そこは少し安心な点。
大きな水槽だとそれぞれの縄張りに戻るだけですが、小さな水槽だと隅に追いやられがちになるので、それが見えたら隔離ボックスに入れたりセパレータに入れる準備をし始めないと段々と弱ってくるので日頃の観察と早めの対処が大切です。
(もちろんベストなのは水槽を大きくすること!!)
スポンサーリンク
同じカテゴリーの記事
ポリプテルス・オルナティピンニスの特徴・飼育情報
ブッシープレコについて。食べるコケの種類や能力、飼育情報など。
ネオランプロローグス・キリンドリカスの特徴・飼育情報
ベックフォルディペンシルの飼育情報。性格や混泳、飼育ポイントなど
ドワーフグラミーの特徴・飼育情報
ヤマトヌマエビの飼育情報。食べるコケや飼育のポイントとか
おすすめ広告
コメント
コメントが送信されましたら、ページ上部へ移動します。