ベタ・ユニマクラータの特徴・飼育情報

ベタ・ユニマクラータ

学名
Betta unimaculata (Popta, 1905)
他の販売名
大きさ目安
9cm
飼育難易度

簡単

適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
繁殖難易度
狙える
性格
非常に攻撃的
遊泳タイプ
上層を中心にフワフワ行き来する
群れやすさ
群れない
価格目安
ペアで8,000円~10,000円

目次

主な特徴

「ベタ・ユニマクラータ」は、最も代表的なマウスブルーダー型のベタです。

一般的な改良ベタは泡巣を作る「バブルネストビルダー」として知られますが、ベタ属は口内で卵・稚魚を保育する「マウスブルーダー」という繁殖形態も一般的であります。

ユニマクラータはそのマウスブルーダーのベタとして最も代表的な魚であり、愛好家の中では「ユニマクラータグループ」というジャンル分けがあるほどの定番種です。

繁殖形態もそうですが大きさも9cmほどと一般的な改良ベタよりもだいぶ大きく、「マウスのワイルドベタ」のスタンダードな魅力を感じさせてくれる魚と言えるでしょう。

YOUTUBEの動画

YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類があっていて特徴が分かりやすいものを紹介します。

混泳・性格

動きは遅いですが、性格は荒いです。混泳させる場合はスピードの早い魚を。

ベタ・ユニマクラータに尾びれがかじられたバルーンモーリー
ゆったりした魚だとヒレは少しずつ損傷していきがち。
(バルーンモーリー)

積極的ではありませんが、他魚のヒレに噛みつこうとする性質があります。

特にシクリッドや同グループのグラミーやベタなどのアナバスなどには、しつこく攻撃を繰り返す傾向がありますので混泳は避けるのが基本です。ナマズやプレコなどの動かない底物に関しては大丈夫ですが、コリドラスなど動く底モノに対してはヒレをかじることがあります。

とはいえアナバスだけあって動きはトロいので、広い水槽かつ動きが早い魚であればあまり問題になることはないです。
(具体的にいえばゼブラダニオなどの常に動き回っている俊敏な魚が理想的)

基本的にはユニマクラータのペアを水槽の主役にして、混泳させるのであれば「動きの早い小魚」や、プレコや底ものナマズなどの「あまり動かない異形の魚」をチョイスするのが無難でしょう。

同種との混泳

ベタ・ユニマクラータの飼育環境

オス同士は改良ベタほどではありませんが、それなりに縄張り争いをするので水槽にはオス1匹は基本です。

メスは水槽にオスと共に同居しますが、ペア形成まではオスから攻撃されることもあります。

ペア形成までに起きるケンカは少し目をつぶることとなりますが、必要に応じて隠れ家を増やしたりひどい傷を負ってしまった場合は隔離も視野に入れてください。ペア形成後は全く喧嘩しなくなります。

エサ

エサは比較的何でも食べます。

エサを食べるユニマクラータ

ワイルドベタは慣らさないと人工飼料を食べない傾向がありますが、ユニマクラータは割と最初から人工飼料を食べてくれる個体が多いので比較的安心です。

中型サイズの熱帯魚でありますのでフレークフードよりかは、ほどほどに粒が大きい顆粒状フードが良いでしょう。

具体的な製品としては「コトブキのフライミックス 中粒」「どじょうグロウ D~E」「テトラ ディスカス」など適します。
(一般的に売られているベタのエサは小さいのでやや適しません)

飼育ポイント

異様に飛び出すので絶対フタをして下さい。

ベタ・ユニマクラータは丈夫な熱帯魚ですが、水面からどんどんジャンプして飛び出していくので、水槽フタは絶対必須です。

水槽に付属しているフタだけでは全部を塞ぐことが出来ないので、別途ガラスフタを購入したり、アクリル板などを使用して全部塞いで下さい。それが出来なければある時に水槽からいなくなります

あとシクリッドほどではありませんが、水流が停滞して底に泥やゴミが貯まると細菌性の病気になりやすいので、上部式フィルターや水中フィルターなどのしっかり流量のあるフィルターで管理した方が長期的に見れば失敗が少ないかと思います。
(スポンジフィルターは可ではありますが、こまめな掃除が必要です)

オールガラス水槽に後付けのフランジを取り付けた様子
オールガラスなら別売りのフランジを取り付けると完璧(カットは面倒だが・・・)

繁殖

状態良く飼育していれば繁殖行動を起こします。

成熟した雌雄が揃っていて、健康的に飼育してさえいれば定期的に産卵します。

しかしながらその後、オスが口内の卵・稚魚を食べてしまう事が多くみられ、原因としては「未受精卵」「稚魚が途中で死んでしまった」「他魚が邪魔」「隠れ場所が無い」「ペアの相性」「オスまたはメスが未熟」など様々な理由があります。

つまりオスに口内で保育させ続けられるか?がどうかが繁殖成功の鍵となります。

雌雄の見分け方

成熟したオスは頭部が大きく色彩が綺麗なのに対し、メスは横から見た時の頭部がスリムで色彩もオスほど派手にならない違いがあります。

上記は非常に分かりやすい例を出しましたが、オスは未熟や負けオスだと地味になりますし、メスも大きくなると各ヒレが伸びギラギラとした反射色も出てオスと間違いやすいので注意して下さい。(どちらかというと上記のように分かりやすい場合は稀かと)

オスは卵を口に咥えるため頭部(口部)が大きいので、頭部の違いが見分けられるようになればそれが一番の見分けポイントとなります。

ベタ・ユニマクラータのオスメスの違い(頭部)
オスっぽいメスのユニマクラータ
ヒレが立派で青にきらめくが、頭部を見るとメスであることが分かる。

産卵と抱接

ベタ・ユニマクラータの産卵シーン

抱卵状態の発情したメスがオスへ繁殖アプローチを行い、オスがそれに応える形で繁殖が始まります。

繁殖は改良ベタと同じく、オスがメスをギュッと巻いて卵と精子をひねり出す繁殖行動を行い、放卵後は主にオスが卵を拾って口内に入れます。

目安としては1ヶ月に一度程度のスパンで繁殖しますので結構な頻度で産むことになります。(メスは産卵から次の産卵まで10日の時もあるぐらい準備が早いです)

オスによる卵の保育開始

卵を保育するベタ・ユニマクラータ
卵を咥えたオス。発見すると嬉しい。

産卵・抱接行為はタイミングが合わないと中々見られませんが、産卵するとオスの口部が膨れるので明確です。

産卵後は6日ほどで稚魚が孵化しますが、稚魚は大きなヨークサック(栄養)がついており、2週間ほどはそのままオス口内で過ごします。

数日以内にオスが卵を食べてしまう場合は未受精などで稚魚が誕生しなかったことがほとんどです。その場合は魚がまだ成熟してないということでまたの機会を待ちましょう。

この時オスはエサを食べませんので、刺激なくメスを回収して絶食させるのがベターです。とはいえ現実的に困難と思いますので、エサは散らばらないよう控えめにしオスの食欲を刺激しないのがベターでしょう。

稚魚の取り出しと育成

吐き出させたベタ・ユニマクラータの稚魚

うまくいけば産卵から2週間~4週間ほどでオスの口内から出てきます

が、これが中々に難しく大抵はこの間に食べてしまうことが多いので、稚魚を確実に取りたい場合はどこかのタイミングで稚魚を口から取り出すのが良いです。(子育てが安心してできる環境にするのは非常に難しい)

稚魚は孵化後20日ぐらいから摂食を始めますので、ブラインシュリンプなどを与えて育てていきましょう。(泳ぎだす前後ぐらいからエサを食べ始めます)

その他・補足情報

産卵自体は簡単なのだが・・・

マウスブルーダーのベタはいくつか飼育しましたが、エサさえちゃんと与えていれば産卵までは簡単なんです。ただしその後オスがうまく保育できず食うことがほとんど

ベタ・ユニマクラータの頭部
食うな!!(怒)

「マウスのベタって簡単だよね」って言われることもありますが、簡単なのは産卵だけでその後稚魚が出てくるまで育てられるのはむしろ少数のアクアリストのみかと思います。(実際SNSでも抱卵報告は上がるものの、その後稚魚が出てきた話はかなり少なくなる)

私も「隠れ家もりもり」「水質」「メス取り出し」「水流」などなど色々基本的なことは試しましたが、中々うまくいきませんでした。

半ば諦めてむしろ環境を悪くしてプレコを飼育する環境に突っ込んでたら稚魚が出てきたのでよう分かりません。(アルカリ性・ベアタンク・水流マシマシ・隠れ家無し)

ベタ・ユニマクラータの稚魚が取れた水槽

バブルネストビルダーのベタはメスがちゃんと産卵できる能力があってよほど相性が悪くなければ、ストレートに育ててくれるのですがマウスは本当に気まぐれの印象を持ちます。

私はたまに孵化後ヨークサックが吸収されてる途中のタイミングで取り出して、ZISSの保育機で育ててるんですが、そっちの方が子共は取れますね。(これが面白いかは別として)

ZISSのハッチャーでベタ・チャンノイデスを人工保育している様子
人工孵化器を使えば割と増やせるのだが・・・。
(ベタ・チャンノイデス)

稚魚をどうしても取りたい場合は、発見後1週間~2週間の間で取り出した方が良いでしょう。(遅くすればするほど稚魚が育てやすくなりますが、遅くなればなるほどオスが我慢できずに食ってしまいやすい!)

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