ベルリンよりも海水魚を多く入れれるマッドシステムとは!?メリットと作り方!

海水水槽のシステムのひとつであるマッドシステム。

ペットの大手通販サイトのCHARMさんで「ベルリンシステムより生体を多く入れられるなど、近年注目されているシステムです。 」と紹介されてまして興味が沸いたので調べてみました。

目次




マッドシステムとは!?

ミラクルマッドのパッケージマッドシステムはEcosystem Aquarium®が提唱している「エコシステム(ecosystem)」の一部であるミラクルマッド(Miracle Mud®)という泥を使った海水水槽のシステムのことです。

Ecosystem Aquarium®が自らマッドシステムと言っているわけでは無く、エコシステムで使用するミラクルマッドを使用したものをマッドシステムと慣習的に呼んでいるみたいです。

Ecosystem Aquarium®によると多くの海水水槽は魚ばかりかサンゴ主体のリーフタンクかどちらかの水槽になりますが、ミラクルマッドを使うことでどちらも両立・維持させることが普通にできるようになるとのことです。

While most marine aquarists are only able to maintain a fish-only tank or a coral reef aquarium, with the Miracle Mud Method, keeping BOTH FISH AND CORALS TOGETHER SUCCESSFULLY is not only possible, but it is the norm!

引用元:Ecosystem Aquarium®のトップページ

エコシステムの最大の特徴はプロテインスキマーに頼った一般的なベルリンシステムのものとは異なり自然の原理で水を浄化するナチュラルシステムを追及したシステムであることです。

自然の原理で水を浄化するナチュラルシステム

沖縄の透き通る海と砂浜海藻だけでなく岩や砂にも浄化能力があります

地球の自然は様々なサイクルの中で成り立っています。

例えば生き物が出したフンは植物の栄養として吸収され、成長した植物は生き物に食べてまたフンに変わるひとつの自然のサイクルがあります。

サイクルはひとつではなくバクテリアによるフンの分解など自然界に存在するサイクルは様々です。

ナチュラルシステムでは水換えを行う、プロテインスキマーで汚れを取り除くといった人為的なものではなく、自然の循環サイクルの仕組みをもとに水槽を維持しようとした水槽システムになっています。

エコシステムの構造

構造としては以下のようにオーバーフロー水槽のサンプ水槽にミラクルマッドを敷いて海藻を設置し、24時間照明で維持するシステムです。

マッドシステムの構造(エコシステムアクアリウムより引用)

引用元:Ecosystem Aquarium®のMiracle Mudのページ

24時間照明とミラクルマッドによる栄養により海藻が繁茂し、汚れつまり硝酸塩を吸収させることができます。

さらにミラクルマッドは還元層を生み出し、嫌気バクテリアを繁茂させることで硝酸塩を還元処理するというメリットもあります。

エコシステムが使われている水槽

公式の方で動画がアップされていました。

プロテインスキマーを入れておらずミラクルマッドだけで構築されているようです。

魚が多く入っており、サンゴも多く配置されていて飼育が難しいとされるSPSサンゴもちらほら見られます。

さっきのは公式動画ですが、海外の方でミラクルマッドを使って水槽を構築されている方もいました。

こちらもプロテインスキマーを利用しておらずエコシステムをベースにしているみたいです。

マッドシステムのメリット!

それではマッドシステムで得られるメリットを見ていきましょう!

ミネラル・微量元素の供給

フラグミドリイシミラクルマッドは魚やサンゴに必要なミネラル及び微量元素が含まれており、少しずつ溶けだすため魚、特にサンゴに理想的な栄養素を供給できるとあります。

栄養を必要とするミドリイシやツツウミヅタなどはどうしても栄養素の添加や換水による栄養素の供給が必須になりますが、ミラクルマッドを敷くと自動的に栄養が溶け出すために手間がかかりません。

リキッドタイマーなどを利用して自動的に添加されるようにするのも良いのですが、添加剤もランニングコストがかかることは勿論、リキッドタイマー自体が高額だったりとなかなか手が出しずらいのが現状です。

また添加剤の量は水槽の環境や水質の状態で適切な添加量や、不足してる栄養素を見極める必要があるため初心者には難しい面があります。
ミラクルマッドではいくつもの栄養素が自動的に供給されるため誰でも簡単にサンゴ礁を作ることが可能だそうです。

ミラクルマッドを敷くだけでしっかり栄養分が供給されるなら初心者や面倒臭がりには嬉しいメリットです。

Miracle Mud continuously replenishes the mineral and trace element concentration of the aquarium water, creating the ideal environment for fish, corals and other invertebrates.

引用元:Ecosystem Aquarium®のMiracle Mudのページ

嫌気層による脱窒

レッドシーの硝酸測定キットミラクルマッドは嫌気層(還元層)を作ることが可能であると書かれています。

嫌気層は水の流れがほぼ無い無酸素状態のことで、この嫌気層には嫌気バクテリアと呼ばれる硝酸塩を窒素に変える脱窒を行えるバクテリアが棲むことができます。

つまり嫌気バクテリアが増えることにより、水槽全体で処理できる汚れ・硝酸塩の量が増えるメリットがあります。

嫌気層を作り出すために砂をかなり砂を厚めに敷いたシステムをDSB(Deep Sand Bed)と呼びますが、ミラクルマッドではなんと「2.54cm(1インチ)」しか必要としないそうです!

さらにDSB(Deep Sand Bed:嫌気層を作ろうとかなり厚めに砂を敷いたシステム)で起こるような腐敗現象がおこることはないとのことです。

Miracle Mud makes an ideal and highly efficient denitrifying refugium filter, leading to a pristine environment for fish, corals and other invertebrates.
The fine consistency of Miracle Mud produces distinct aerobic and anaerobic layers that enable it to be both an excellent nitrifier, as well as a denitrifier.

Unlike other refugium substrates on the market that will need at least 6 inches (15 cm) of deep sand bed (DSB) to achieve denitrification, Miracle Mud only requires a 1-inch (2.5 cm) deep layer.

引用元:Ecosystem Aquarium®のMiracle Mudのページ

海藻による汚れの吸収

密集するジュズモ海藻は植物のひとつであるため栄養として硝酸塩を吸収します。

さらにミラクルマッドから溶け出す各種栄養素により吸収スピードもパワーアップするわけです。

24時間照明があたることにより海藻がフル稼働で硝酸塩を吸収することになりますので水槽全体で処理できる汚れ・硝酸塩の量が増え、硝酸塩濃度の低下が期待できます。

プロテインスキマーが必要ない

サンプに入れられたRLSSのスキマーミラクルマッドをリフジウムとして使用すると先述した「嫌気層による脱窒」と「海藻による汚れの吸収」により硝酸塩を処理する能力が高くなるため、プロテインスキマーに頼らないシステムを作ることが可能です。

リフジウムとは

リフジウムは植物や微生物が増殖して繁殖できるメイン水槽に接続された別個の水槽のことです。

A protein skimmer is NOT required when using Miracle Mud!
Using Miracle Mud as refugium substrate**, as described in the EcoSystem Method, makes a protein skimmer unnecessary, as can be seen in the reef aquarium pictured above.

**EcoSystem Method vs. Refugium: By definition, a refugium is a separate compartment connected to the main aquarium filtration system, in which plants and micro-organisms can grow and reproduce. It is not a stand-alone filtration unit.

引用元:Ecosystem Aquarium®のMiracle Mudのページ

関連リフジウムとは!?メリットとオススメの海藻、作り方について!

プロテインスキマーと併用することにより更に汚れを除去する能力が上がるため、より多く魚を入れれることができます。

ただプロテインスキマーはサンゴに必要な栄養素も少なからず除去してしまうデメリットがあるためあえてプロテインスキマーを使わないこともあるようです。

水槽に収容できる海水魚が増やせる

調子が良いサンゴ水槽上記の画像は私が運用中の水槽で、プロテインスキマーを主体にしたベルリン式システム水槽に小さな水槽を載せそこにミラクルマッドを敷いたいわゆるハイブリットシステムの水槽です。

ハナサンゴ、ディスクコーラル、マメスナ、スターポリプなどの基本サンゴや、ソフトコーラルでは難しいチヂミトサカやSPSサンゴであるウスコモン、ミドリイシなどのサンゴが長期維持・・、というか大きくなって増えているほど絶好調。

45cm箱という小さな水槽ですがカクレクマノミ✕3、ナンヨウハギ、キイロハギ、プテラポゴン✕2、マンジュウイシモチ、スズメダイ類✕4、ロイヤルグラマ、ブレニー類と計14匹も入っている計算です。
(あとスカンクシュリンプ1匹やヤドカリ、グリーンサロンシュリンプとエメラルドクラブが結構入っています。)

ここまで魚を入れたらさぞ水換えが大変なんだろうと思いきや、水換えは半年スパン

「リーフタンクと魚主体水槽が両立できます」という謳い文句通り、魚を多く入れつつサンゴを維持することが可能なシステムでした。

詳しいシステム: 魚の数を増やしたくてマッドシステムを使ったリフジウムを作ってみた!

デメリット

壁に生えたコケを食べるテールスポットブレニー運用していますがマッドシステムから栄養がまぁまぁ溶け出しているようで、そこそこコケやすいという点がデメリットだと思います。

ベルリンシステムなどの超低栄養塩環境であれば、全くコケが出ないというシステムも目指せると思いますがミラクルマッドでは無理です。

とはいえコケ取りを入れつつつ海藻が繁茂してくればガラス面のみ薄っすら緑のコケが付く程度に収まるので、FLIPPERなどのマグネットクリーナーを数日に1回掃除すればコケ対策はバッチリです。

関連ステンレスブレード付きマグネットクリーナー「FLIPPER」を買ってみたのでレビュー

ライブロック表面は石灰藻の方が勝ります。

ミラクルマッドを運用する場合はコケ取りとして「壁を掃除する貝類」、「床を掃除するマガキ貝orナマコorオニヒメブンブク」、「ギンポ・ブレニー類」あたりは必須級だと思いますね。

必要な手入れ、メンテナンスは?

キイロハギ1~2ヶ月に一度、海藻が繁茂して増えすぎた時に間引きを行います。
刈り取った海藻は草食性を好む海水魚の餌としても利用することができるようです。

またミラクルマッドよりミネラルが供給されるのは2年なので1年~2年毎に半分ずつミラクルマッドを入れ替える必要があります。

砂を入れ替えるのは大変ですが30分~1時間程度の作業ですし毎日手動で添加剤を投与したりすることを考えると楽な方だと思います。

1~2ヶ月一度増えすぎた海藻を刈り取ります。増えすぎた海藻はヤッコやハギの餌としても最適です。ミラクルマッドから各ミネラルが約2年間、ゆっくりと抽出され、魚やサンゴに活力を与えます。

引用元:AMA-JAPAN(Ecosystem Aquarium®の国内販売代理店)の製品情報、Eco System Aquariumのページ

マッドシステムの作り方!

Ecosystem Aquarium®が販売されている「EcoSystem Aquarium® Filter」を使ったセットアップを紹介します。

エコシステムアクアリウムフィルターなるものは最もベーシックであるオーバーフロー水槽に使用するSYSシリーズや、水槽背部にとりつけるECOシリーズなるものがあるようです。

正直以後はEcosystem Aquarium®の「Miracle Mud Set-up Instructions」にすべて記載されていますので英語が読める方はそちらも併せて読んでいいただく方がオススメです!

1. サンプにミラクルマッドを投入

水槽に2.5cmの厚さで敷いたミラクルマッドサンプに水含む何も入っていない状態にし、乾いた状態のミラクルマッドを2.54cmの厚さで水平に敷きます

たった2.54cmで適切な脱窒が行われるようです。

2. 注水

泥を舞い上がらせないように注水している泥を巻き上げないようにビニール袋などを敷いて、上から少しずつ注水していきます。

直接水を注いでしまうと泥をかきまぜてしまい沈殿するまで待たないといけなくなっちゃうので注意しましょう。

3. 浮遊粒子の取り除き

ネットで浮遊物をとろうとしている図ミラクルマッドが完全に沈んで水が透明になるのを待ちます

水が透明になったらネットなどで浮遊粒子を取り除きます。

4. ポンプの駆動して、空回し

ポンプを駆動して水槽システムを指導させます。

その後は一週間、水槽を空回しして下さい。

5. 海藻を入れる

釣り糸を使って海藻ロックを作っている図空回し一週間後に海藻を入れます。

入れる海藻としてはジュズモやカエレルパ類(タカノハヅタ、ウミブドウ)がオススメされています。

海藻を小さなライブロックに釣り糸で巻きつけて、これを10個~20個作り、敷いたミラクルマッドに散りばめて起きます。
あまり密集して植えると腐ってしまいますので適度に感覚をあけて設置します。

そして海藻ロックおよびマッドシステムのサンプには24時間照明を行います。

6. 水槽の空回し

マッドシステムの海藻たちさらにこのまま5~7週間ほど水槽を空回しして循環させます。

一般的なベルリン式システムと比べて魚を入れれるまでの期間がやや長いようです。

5~7週間後、サンゴや海水魚などの生体を入れれるようになります

まとめ・所感

単純なリフジウムのようなものと思っていましたがリフジウムよりかなーり高性能なシステムであることが分かりました。

  • ミラクルマッドを使った海水水槽システムのことをマッドシステム(エコシステム)と呼ぶ
  • ミラクルマッドは魚・サンゴにミネラルや微量元素を供給できる
  • ミラクルマッドは硝酸塩の還元が行われるため、硝酸塩濃度の低下が期待できる
  • ミラクルマッドを使ったマッドシステム(エコシステム)は海藻による硝酸塩の吸収が行われるので硝酸塩濃度の低下が期待できる

ミラクルマッドの大きなメリットは何もしなくてもミネラル分が供給されることと、脱窒層による硝酸塩の脱窒が行われることでしょうか。

特にミネラル分が供給されるのは毎日いくつもの添加剤を投入する手間を考えたら非常に助かります。

ハナガササンゴやツツウミヅタは栄養を供給しないと溶けますし、他のサンゴも栄養がなければ色あせたり縮んでしまうことも。

しっかり添加剤を投入すれば良いんでしょうけどそれがまた面倒くさいしサボっちゃうんですよねぇ・・・(´・ω・`)

サテライトやミニ水槽に試験的に入れてみるのも面白そうです!

関連魚の数を増やしたくてマッドシステムを使ったリフジウムを作ってみた!

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この記事へのコメント

  • 1通りすがりのアクア2020年9月23日 00:31

    非常に参考になる記事、ありがとうございました。
    サンプでシステムの立ち上げをやってみます。

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