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海水水槽の硝酸塩濃度を下げるために見直すべきポイントと対策方法!

測定用材Cを入れられた測定容器

海水水槽及びサンゴなどのリーフタンクでは硝酸塩濃度を低いレベルで抑える必要があります。

特にミドリイシなどの難しいサンゴでは1ppm程の非常に低い硝酸塩濃度を求める場合もあり、水換えだけではカバーしきれません。

硝酸塩濃度を低く抑えるために見直すべきポイントと、硝酸塩除去のための対策方法をお教えします。

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硝酸塩除去する理由

海水魚の飼育では硝酸塩濃度がおおよそ50ppm未満あれば問題ありません。

その数値であれば意図的に硝酸塩を下げようと思っていなくても適切な魚の数と適切な水換え頻度であれば十分達成可能な数値です。

サンゴの育成

沖縄産のチヂミトサカしかしながらサンゴ類、主にハードコーラルは10ppm未満を要求するものが少なくなく、それらは単純に水換えだけで達成しようとすると数日に一度の水換えが必要になってしまい、人工海水のランニングコストも痛い出費となります。

多くありませんがハードコーラルだけでなくソフトコーラルもハードコーラルと同水準の低い硝酸塩濃度の環境を必要とするものもいます。
例えばチヂミトサカやウミアザミの仲間は10ppm未満を維持すべきソフトコーラルです。

特にミドリイシ類

特にミドリイシの仲間は硝酸塩濃度が1~2ppm未満の環境を要求するため、育成が難しいサンゴのひとつです。

ここまで来ると水換えだけでは不可能で硝酸塩濃度を下げることを意識的に行う必要があります。

無換水システムを目指す

砂利の掃除また硝酸塩濃度の低下のメリットはサンゴの育成だけに留まりません。

通常、淡水のアクアリウムでは硝酸塩がどうしても溜まってしまうため換水する作業があります。
しかしながらマリンアクアではプロテインスキマーを中心にライブロックやバイオボールなどで硝酸塩が溜まらない環境を作ることができます。

硝酸塩が貯まらないことは換水を行わなくても良いということと言い換えることもできます。

換水を行う理由はサンゴへの栄養補給という部分があるため、一概には硝酸塩ゼロが換水しなくても良いというわけではありませんが、無換水システムを目指す上では硝酸塩を溜まらせないことが原則のひとつです。

硝酸塩の生成を少なくする

硝酸塩濃度を下げるための考え方はとても簡単です。

硝酸塩が生成される量に対して水槽の硝酸塩除去能力が上回っていれば硝酸塩は蓄積されません

まずは前者の硝酸塩の生成を少なくする方法をご紹介します。

プロテインスキマーの強化

サンプに入れられたRLSSのスキマー硝酸塩のもとになるのは魚のフンや食べ残しなどの有機物です。

プロテインスキマーを設置することによって水槽のゴミやフンを有機物の段階で水槽より取り除けるため、硝酸塩が生成されないようになります。

もちろん取り逃しもあるため100%とはいきませんが、強力なプロテインスキマーを使用することで大部分のフンを取り除けるため、生成される硝酸塩の量を大幅に減らすことが可能になります。

水槽に対してややオーバースペックと思うものを使用するのが良いでしょう。

フンから硝酸までの図通常の濾過システム
プロテインスキマーによるフンから硝酸までの図プロテインスキマーを使用すると、アンモニアに変わる前に除去するため硝酸すら溜まりません。

ベルチェ式のものがオススメ

エアーリフト式プロテインスキマーのウッドストーン部分エアーリフト式は泡の生成量が少なくパワーが弱い

エアーリフト式のものは有機物を取り除く能力が少なく、あくまでフィルターを補助するものです。

やはりプロテインスキマーと言えばベルチェ式のものが一般的で、エアーリフト式を1とすればベルチェ式では5~10ぐらいの能力があります。

ベルチェ式のものはオーバーフロー水槽のサンプに設置するような大型のものが多いですが、小型水槽に設置できるような外掛け式のプロテインスキマーも販売されています。

もしエアーリフト式を使っている場合はベルチェ式に変えるだけでも大幅な硝酸塩の削減になるでしょう。

レイアウト・ウェーブポンプの見直し

ライブロックによるレイアウトライブロックの設置は適度に間隔をあけて水の通り道を作ることがポイント

いくら強力なプロテインスキマーを使用していても汚れがプロテインスキマーに流れ込まなければ意味がありません。

ライブロックを複雑に入り組んで設置してしまうと流れの無い淀み部分が多くなり、水が停滞してしまい硝酸塩の発生場所となってしまいます。

ライブロックはできるだけ風通し、水通しが良いように設置して組み合わせるのがポイントです。
ライブロック台を利用して底を吹き抜けにするのも良いでしょう。

ウェーブポンプを設置しよう

ライブロックの置き方と共に重要になるのがウェーブポンプです。

ライブロックで出来た淀みにウェーブポンプで水流をあてることにより、水の流れが生まれて汚れを溜まらせないような環境にすることができます

ウェーブポンプでない通常の水流ポンプだと1か所に強い流れができるだけで淀みの解消には適していません。
対してウェーブポンプは海の海流を再現するためのポンプで、通常のポンプと比べて幅広い面積の波を生成します。
そのため水槽の全体的に水の流れができ、ライブロックをなぞる様に水流があたるため淀みの解消に効果的です。

コントローラー付きウェーブポンプがオススメ

ウェーブポンプWMP4000のコントローラウェーブポンプは様々ありますがコントローラー付きのウェーブポンプがオススメです。

コントローラー付きのウェーブポンプはある程度値は張ってしまいますが、他のディフレクターやウェーブポンプを購入するよりかはオススメできます。

ウェーブポンプは水槽中の水を全体的に回すような水流が理想的ですが、ウェーブポンプが生成する水流はある程度のパワーが必要で、また強すぎても砂が舞ってしまったり魚が疲れてしまったりと適切な水流の強さのポンプを設置する必要があります

その点コントローラー付きのウェーブポンプだとパワーの調節が可能なため自分のレイアウトと水槽サイズにあったパワーに調節することが出来ます。

またウェーブポンプですら同じ方向に水流を発生させ続けると、どうしてもどこかしらに淀みが生まれてしまいます。

コントローラー付きのウェーブポンプは断続的に止まったり、水流を生み出したりすることが可能なので淀みが無い環境にすることができます。
一方的に継続して水流をあてないことはサンゴ育成の観点からも良い働きもするので一石二鳥です。

オーバーフロー水槽ではポンプも重要

シンクラサイレントのパッケージオーバーフロー水槽の場合はサンプよりメインタンクに送水するポンプも重要です。

送水するポンプの流量が低いとサンプに設置したプロテインキマーに汚れを送り込むことができないため、プロテインキマーの能力を引き出していないことがあります。

プロテインキマーの能力を引き出すためには、プロテインキマーが排出する水の量の2倍をサンプに送りたいところです。
プロテインキマーのパワーにもよりますが、目安としては1時間に水槽の水量を5~20回転ぐらいさせれるようなポンプが理想です。

特にクーラーや殺菌灯を接続している場合は、器具の抵抗により流量がメーカーが表示している数値と比べて大幅に落ちている場合がありますので、実測で測定してみてください。

測定の一例ですが、ペットボトルなどを用いてペットボトルを満タンにするためにかかった時間を計測し、逆算して1時間に排出された量を算出します。

メイン水槽の中で水がグルグル回っていて、サンプにほぼ行っていないというケースになっていないかを確認しましょう。

魚の数

クダコンベを見るカクレクマノミ達魚の数を抑えることで硝酸塩の元となるフンの量を抑えることが可能です。

魚を多く入れてしまうとフンを出す量が増えてしまいプロテインキマーで処理できる量を上回ってしまいます。
結果処理されなかったフンは時間の経過と共に硝酸塩に変わってしまい、硝酸塩の蓄積に繋がります。

目安としては例えばカミハタのプロテインスキマー海道達磨の場合は3~4cmぐらいの小魚が3匹ぐらいで、サンプに設置するような強力なプロテインキマーだと小魚が10匹程度であれば硝酸塩の蓄積を抑えることが可能です。

より強力なプロテインスキマーを使用することや後述する硝酸塩除去の対策を行うことでより多くの魚の数を増やすことが出来ます。

もし手っ取り早く魚の数を増やしたい場合はプロテインスキマーをスペックアップするのが一番単純で効果があります。
魚の数はプロテインキマーの能力に比例すると言っても良いでしょう。

餌の与え方を見直す

クダゴンベへの給餌餌は食べ残しがないように与えるのが原則です。

食べ残しは硝酸塩の元となりますので餌を少しずつ小出しにするような餌やりを行うのが理想です。

また冷凍餌を与えている場合は特に水が汚れやすいため、より一層残さないように注意が必要です。

硝酸塩除去のための対策

先ほど硝酸塩を出さない飼育環境の見直しを紹介しました。

しかしながら全てをカバーすることはできず、ある程度は硝酸塩となってしまう部分があります。

硝酸塩を除去する手段があります。

嫌気バクテリアの作用

ライブロックフンなどの有機物は時間の経過によりアンモニアという強い毒性のある物質に変わり、この有害物質を処理して低毒素化つまり硝酸塩に変えるのが好気性バクテリアです。

好気性バクテリアは増やしやすくバクテリアを繁茂するための設備が濾過材及びフィルターになっています。

この好気性バクテリアに対して、硝酸塩を無害化(脱窒)するバクテリアが嫌気性バクテリアと呼ばれるものです。
嫌気性バクテリアは少ないものの毒素のある硝酸塩を無害である窒素に変えることできる優れたバクテリアです。

つまり嫌気性バクテリアを水槽に繁茂させればそれだけ硝酸塩の除去能力を上げることができます。

嫌気性バクテリアの住処

嫌気性バクテリアはライブロックの奥深く(内側)に繁茂することが可能です。

そのためライブロックを増やせば増やすほど嫌気性バクテリアの住居は増えるため硝酸塩の除去能力が上がります。

しかし多すぎる場合は淀みが発生してしまうことになり本末転倒です。
汚れはプロテインスキマーに除去してもらうのが最も有効なため淀みが発生しない程度にライブロックを増やすようにしてください。

また嫌気性バクテリアが増えて定着するのは遅く、数か月~半年の期間待たないと硝酸塩の除去能力は十分に発揮することが出来ません。

硝酸塩除去剤とバクテリオプランクトンシステム

レッドシーの硝酸塩除去剤嫌気性バクテリアの定着を早める方法としては硝酸塩除去剤を使用する方法があります。

硝酸塩除去剤は名前からみると化学的に除去するようなイメージがありますが、実際のところ硝酸塩除去剤は嫌気性バクテリアを活性するためのバクテリアの餌です。

定期的に硝酸塩除去剤及びバクテリアの餌を投与することによりバクテリアが活性化し定着までの期間を縮めることができます。
硝酸塩除去剤を使用するとおおよそ1ヵ月ぐらいで嫌気性バクテリアを定着させることが可能になります。

また定着した後も硝酸塩除去剤を使用することで引き続き嫌気性バクテリアが活性化されますので、硝酸塩除去能力のブーストを行うことができます。

硝酸塩除去剤により硝酸塩除去能力のブーストを前提としたシステムがバクテリオプランクトンシステムと呼ばれるものです。

バイオペレットを使う

バイオペレットはペレットを流動させるペレットリアクターを設置して硝酸塩を除去する装置です。

仕組みは先述した硝酸塩除去剤と同じでペレットが嫌気性バクテリアの餌と住処になっています。

バクテリアに消費されたペレットはカスとして排出ていくため、強力なプロテインスキマーによりカスは除去する必要があります。
強力なプロテインスキマーが必要なことに加えて、ペレットリアクターを設置することから利用にはオーバーフロー水槽が適しています。

硝酸塩を減らす能力としては高く、硝酸塩除去剤と比べて定期的な添加を必要としないため日ごろの管理が楽という特徴があります。

ペレットは消耗品のため早いもので1ヵ月、長いもので半年で交換する必要があります。

海藻類の導入、簡易リフジウムの設置

繁茂した海藻硝酸塩は植物に栄養として吸収される物質のひとつです。
海水水槽では海藻にあたり、海藻類を多く入れることにより硝酸塩の除去を行うことができます

しかし海藻を繁茂させることが必要なためレイアウト的には美観を損ねてしまうことがほとんどです。

思い切って海藻を中心にしたレイアウトを構築するのも良いですが、レイアウトの美観を損ねないように産卵箱のような隔離ケースに海藻を繁茂させる方法があります。

オーバーフロー水槽の場合はサンプに照明を設置してサンプをリフジウムとしてしまうもの硝酸塩を下げれる効果的な手段のひとつです。
プロテインスキマーと組み合わせて使う場合は仕切りで区切るか、隔離ケースを使って分けると良いでしょう。

その時プロテインスキマーに照明があたってしまうとコケが生えてプロテインスキマーの能力を下げてしまうため、プロテインスキマーには照明を当てないように工夫することが必要です。

硝酸塩の除去に使用する海藻は成長の早い良く育つものであれば何でもよく、一般的にはウミブドウが良く使われています

まとめ

硝酸塩を除去するための方法を箇条書きでまとめます。

  • プロテインスキマーの能力を超えないように魚の数を抑える
  • 魚を多く入れたい場合はまずプロテインスキマーのスペックアップを
  • 嫌気性バクテリアにより硝酸塩の除去が可能
  • 嫌気性バクテリアはライブロックの奥に繁茂するが、定着までは数か月~半年間必要
  • 硝酸塩除去剤を使用することで嫌気性バクテリアを活性化することができる
  • バイオペレットリアクターを設置すると硝酸塩をかなり除去できるが、強力なプロテインスキマーが前提条件
  • ウミブドウなどの海藻類を繁茂させることにより、硝酸塩を除去することができる

硝酸塩を蓄積させないシステムはプロテインスキマーの能力が大部分をしめていますので、まずは水槽にあったプロテインスキマーかオーバースペック気味のプロテインスキマーにすることが重要です。

硝酸塩を除去する方法というのはあくまでプロテインスキマーで取りこぼした一部を除去するという考え方のためまずはプロテインスキマーを見直してみて下さい。

ご参考になれば幸いです。

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