金魚を逃したら何がいけないの?放流の危険と違法性を解説!

「金魚が大きくなってきたから近くの川に逃がす」

そのような行為は昔なら何とも言われなかったのが、今では非常に悪質な行為とされつつあります。

金魚の放流・逃がす行為について、その危険性と違法性などを解説していきます。

目次




自然に逃してしまうことの問題

大きくなった和金

金魚を自然に逃してしまうことの何がいけないのでしょうか?

もちろん「虐待だ、無責任である」という問題もあるのですが本質は金魚自身ではなく、「逃された場所に棲む生き物たち」の方にあります。

放流された金魚というのはその土地に棲んで繁殖・定着してしまう可能性を持っています。

繁殖していくとどんどん増えていきますが、これにより食べられる生物というのが絶対にでてきます

定着すると出る影響

2匹のミナミヌマエビ例えば小さなエビが棲む場所に、金魚が放され繁殖して増えていったと仮定します。

するとエサになる小さなエビはどんどん食われて駆逐され、絶滅に追い込まれてしまうのです。

更に元々小さなエビを食べていた小魚たちは食べられるものが無くなりこれもまた絶滅。

このように金魚が増えることによって生態系が大きく壊されてしまうリスクがあるのです。

外来種が侵入し、新たな場所で生息するためには、餌をとったり、葉っぱを茂らして生活の場を確保したりする必要があり、もともとその場所で生活していた在来の生物との間で競争が起こります。

環境省のイラスト
環境省のイラスト

引用元:環境省>自然環境局>外来種問題を考える>「侵略的な外来種」の「外来種の問題点」項より引用

ウパみ
そんなことありえるの?

典型的な例

釣り上げたブラックバス最もこの問題に近いのがブラックバスです。

ブラックバスは貪欲でなんでも食べるためありとあらゆる魚やエビなどを食い尽くして生態系を壊してきました。

知らない人も多いのですが、特定外来生物として政府に指定されるほど。

運搬や持ち帰り、飼育、放流などが法律で禁止されており実際に逮捕者も出ています。

許可なくブラックバスやブルーギルなど外来種の魚を飼育したとして、滋賀県警大津署などは29日、特定外来生物被害防止法違反の疑いで京都市下京区の会社役員(中略)を逮捕した。

引用元:産経WEST 2015.9.29 20:36

金魚はブラックバスほど問題視されていませんが、これと全く同じの問題を含んでいるワケです。

放流することに何も問題がなければブラックバスのような逮捕者が出ることはありません。

ウパみ
ということは逃したら捕まる!?

金魚の違法性について

職務質問を頑なに拒む自称無職

とすると金魚を逃してしまうのは罪に問われるような気がしますが、現在のところ国レベルでは罪に問われることはありません
※2018/2/15日現在

ブラックバスは外来生物法のリストに指定されているため禁止されていますが、金魚はリストされてないためです。

とはいえ法律で禁止されていないから悪いことをやっても良いハズもなく、環境を破壊してしまうリスクは同等に含んでいるためです。
将来的にリストされていてもおかしくはありません。

ただし地域によっては条例で禁止されているところがあります。

地方公共団体によっては禁止されている

「身柄確保!」 ※警察官の制服は撮影用の衣装です地方公共団体が独自に定めている条例によっては金魚を逃がすことが罪になっている場合があります。

例えば東京の場合「東京における自然の保護と回復に関する条例」にて以下のように定められています。

国内及び国外を問わず人為的に移動した動植物で、都内における地域の在来種を圧迫し、生態系に著しく悪影響を及ぼすおそれのある種の個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまいてはならない。

引用元:「東京における自然の保護と回復に関する条例」第四十五条 より

国内及び国外を問わず人為的に移動した動植物」とあり、これが金魚に該当しています。

東京以外でも福島県「福島県野生動植物の保護に関する条例」や香川県「香川県希少野生生物の保護に関する条例」など様々な地方公共団体が条例を定めており、金魚を逃がすことを禁止しています。

条例が定められているのであれば外来法で禁止されていなくとも、条例違反にあたってしまうのです。

金魚は日本の魚だから問題はない、そんなワケは無い

朱文金

ウパみ
でも金魚って元々フナじゃん!
日本にいる魚を逃して何がいけないの!?

長く日本に根付いた金魚ですが、そもそも金魚は野生には生息していません。
全て人の手で増やしている魚であり、自然に棲むフナとは異なる生き物です。

加えて言えば金魚のルーツは中国にすむフナの仲間なので、日本がルーツですらありません。

そもそも外来種は国内の生き物でも該当する

2匹のアマガエルそもそも外来種の定義というのは「人為的に自然分布域外へ移動させた生き物」であり、日本にいる種でも場所が違えば外来種にあたるのです。

たとえば東京でアマガエルを捕まえ、茨城県に逃したとしても、これも外来種になります。

実は同じ生き物でも模様が違っていたり、病気への耐性が異なっていたりと地域によって微妙に差異があるもの。

それを持ち込むことによる生態系への影響は少なからずあり、生き物を逃がす場合は捕まえた場所以外では逃がしてはいけないのです。

(※補足すると外来生物法の特定外来生物にリストされている生き物は捕まえた場所でも逃してはいけないルールがあります!)

先程の東京都の条例でも「国内及び国外を問わず人為的に移動した動植物」と表記してありますネ。

逃しても弱い金魚は増えない?そんなワケも無い

黒琉金

ウパみ
金魚って明るく目立つから自然界では生き残れないって聞いたんやけど・・・

金魚を逃したところで弱い金魚は生き残れない、明るい色は目立つため外敵に食べられてしまうから問題ないと言われることもあります。

確かに金魚の色は派手で外敵から目立つのは事実ですが、環境に適応できるかどうかはその環境によるとしか言えません

ブラックバスなどが多くいる環境であれば食われる可能性が高いのですが、外敵がいない場所であれば簡単に繁殖するでしょう。

また金魚は生まれたときは黒く、成長するにつれて明るい色に変化します。

小さく弱い時期は保護色が働くので、思った以上に強いでしょう。

褪色していない金魚たち色がまだ出てない幼い金魚。どう見てもフナ。

近いコイは最も危険な外来種

夜の池に泳ぐ鯉侵略者たち

そもそも金魚は弱い生き物と思いがちですが実際は汚い水に耐性があり、餓死にも強く魚的に見れば非常に丈夫な生き物なのです。

金魚の近い仲間であるコイは国際自然保護連合が定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」にブラックバスと共にリストされているほど。

ブラックバスは釣り人による大々的な放流が行われたため広く生息する形になりましたが、金魚でも条件やタイミングが整えば爆発的に繁殖する可能性を秘めているのです。

おわりに、個人的な所感

捨てないで!と書かれた袋

金魚を放すことについてソレが問題だと思わない方が多いと思います。

しかしながら逃してしまうことは昨今言われている外来種問題にあたり、ブラックバスやヒアリの持ち込みと同じことをしている他ありません。

飼育者としては飼えなくなった金魚のためを思って手放した人もいるでしょう。

しかしながらそのような行為は本来保護すべき自然を破壊することで、同じ金魚の愛好家からは強く非難される行為であります。

マナー違反になりますし、地域によっては条例違反にあたってしまうことも。

また飼育下と比べてそもそも自然下は非常に過酷であり、ほとんどの生き物は大人になるまで大半が死に、大人になっても天寿を全うできるものはほとんどいません。

そのような環境に飼育下でぬくぬく育てられた金魚を放つのは非常に酷いこと。

犬や猫と同じく金魚も含めてペットは最後まで面倒をみましょう

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この記事へのコメント

  • 1通りすがりのアクア2022年8月21日 09:44

    >生き物を逃がす場合は捕まえた場所以外でしか逃がすべきではありません。

    この表現だと、捕まえた場所以外で逃して下さい。という意味になるので、意図と逆のように思いました。

  • 2犬水ジュン2022年8月22日 00:57

    >>1 ホントですね。直しておきました。あざし!

  • 3kamikamikamikakmi2023年2月13日 11:56

    捨てないようにちゃんと管理しよう

  • 4ヒカリ2023年7月9日 10:26

    親が放流しろって言うのですが
    私は放流したくありません、親をどうやって説得すればいいですか?

  • 52024年7月20日 08:25

    東京都にお住まいなら親に条例違反だよって言えばいいと思いますよ。

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