水槽に入れれる海水魚の数について!考え方と水槽別のオススメの匹数!

海水魚は水槽サイズごとに入れる魚の数を単純に決めることができません。

魚によって特徴がありケンカしたり、ケンカしなかったりと魚の組み合わせにもよって飼育できる魚の数は決まっています。

そんな海水魚の収容および匹数についてのアレコレをご説明します。

水槽サイズ別にオススメの匹数、組み合わせなどもご紹介します。

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海水魚の縄張り、ケンカ

カクレクマノミとウミキノコ海水魚は縄張りを持っているものが多く、縄張りに別の魚が侵入すると追い出そうとします

そのため小型水槽だと1匹の縄張りで空間を使い切ってしまい、多くの数を入れることができません。

縄張りを作る海水魚は「ルリスズメ」、「ヨスジリュウキュウスズメダイ」などのスズメダイや、「カクレクマノミ」、「ハマクマノミ」などのクマノミの仲間、「ロイヤルグラマ」、「ニセモチノウオ」、「スカーレットフィンラス」などのベラ・グラマの仲間、「ハタタテハゼ」、「ヤエヤマギンポ」などハゼの仲間など多くの海水魚が作り、縄張りを持たない海水魚のほうが珍しく、大体の海水魚は縄張りを作ると思った方が良いでしょう。

空間を有効利用するためにはライブロックで逃げ込める空間を作ったり、または空間自体を分けて縄張りを2つに分けたようなレイアウトにすることで魚の数を増やすことができます

縄張りの広さ

シリキルリスズメダイの縄張り30cm水槽でスズメダイの仲間であるシリキルリスズメダイ(青と黄色の魚)とヨスジリュウキュウスズメダイ(白黒の魚)を飼育していますが、シリキルリスズメダイが大部分を縄張りとしており赤線で囲った部分が縄張りになっています。
(ヨスジは右上の方に少し見えてるやつです)

シリキルリは自分の縄張りにヨスジが侵入するのを見かけたら、追い出そうと攻撃をしかけています。

このように縄張りを持つ魚は小型水槽だと飼育できる魚の数が限られてしまいます。

複数匹飼育したい場合はライブロックを立体的に設置して隠れられるようなスペースおよび縄張りより隔離したスペースを作ることが重要です。

例えば先程のレイアウトでは隠れられるエリアを用意しています。

魚が活動できる場所

ライブロックの裏に隙間があるため、中央の広い空間を縄張りにした魚から見えないようになり、退避することができます。

もし退避場所がないと突つき殺されてしまうこともありますので注意して下さい。

成長に注意

ルリスズメダイルリスズメダイ(コバルトスズメダイ)

そのほか注意するポイントとして魚が大きければそれだけ縄張りが大きくなりますが、成長に伴って縄張りが拡大することを念頭に入れましょう。

例えばショップでよく見かけるルリスズメダイ(コバルトスズメ)は購入時は3cmほどと小さいことが多いのですが、8cmほどに成長するため持て余してしまうことが多い海水魚です。

魚の導入には成長するサイズを知ることも重要です。

縄張りを荒さない海水魚は攻撃対象にならない

テールスポットブレニーとカクレクマノミテールポットブレニーとカクレクマノミ

縄張りに入ってきたからといって必ず襲うわけではありません。

縄張りを荒さないと判断した場合は攻撃対象とはならず、数を入れてもケンカすることはありません。

攻撃対象になりにくいのは魚の形(シルエット)および仕草が異なる場合と、更に食性が違っていれば攻撃対象にはほぼなりません

例えばギンポ・ブレニー類は独特の泳ぎ方と草食性で藻などを食べていますが、スズメダイやカクレクマノミなどの一般的に肉食よりの雑食性の魚からは見向きもされません。

縄張りに侵入された側から見れば自分が食べるエサを食べないため放置しても問題にはならないのです。

そのほかシルエットや仕草が異なる場合でも攻撃対象になりにくくはなりますが、攻撃されることもあるため注意が必要です。

クダコンベクダゴンベ
独特のシルエットと岩場などに沿うように移動するため、普通に泳いでいる魚から攻撃になりにくいし、攻撃する可能性も低い
ただし同じように岩場などを根城にしているロイヤルグラマなどとは小競り合いが発生することも

同種間、近い仲間でのみ縄張りを持つ海水魚

ハタタテハゼハタタテハゼ
温和で知られる魚だが同種間では縄張り争いが発生する

海水魚のうち縄張りを作る種類が多く占めていますが、同種間や近い形をしている場合にのみ縄張りを作る性質を持つ海水魚も少なくありません。

同じ仲間だとケンカするものの他種に対しては無関心というタイプです。

「ギンポ・ブレニー類」や「ハタタテハゼなどの遊泳ハゼ」、「キイロサンゴハゼ」などハゼの仲間が多くいますが、ハゼ以外にもロイヤルグラマなどのグランマ・メギス類やスカーレットフィンラスなどのラス類などは近しい魚に対しては威嚇行動をとります。

こういったタイプをかぶらないように魚を入れることで魚の数を増やすことができます。

小型水槽では縄張りを確保しにくいこともあり、違うタイプの魚を1匹種類ずつ飼うのがオススメです。

そもそも縄張りを持たない魚

デバスズメダイデバスズメ

プテラポゴン・カウデルニィ、マンジュウイシモチなどのイシモチの仲間やデバスズメダイ、キンギョハナダイなど群れて行動する性質のある海水魚は縄張りを持っていません

そのため小さな水槽でもケンカすることはなく小型水槽でも複数匹泳がせられる海水魚です。

  • 海水魚は基本的に縄張りを持つため小型水槽だと1~2匹まで
  • ライブロックで隠れる箇所を増やすことで複数匹入れやすくなる
  • シルエットや食性が違う魚は攻撃されにくいため、外すことで入れる数を増やすことができる
  • 同種や近い種類で争う海水魚が多いため、タイプごとに1匹ずつ飼うと失敗が少ない
  • そもそも縄張りを持たない海水魚は水槽に多く入れやすい

遊泳エリアの確保

バーゲスバタフライフィッシュ

バーゲスバタフライフィッシュ

魚によっては広いエリアを遊泳して活動している種類があり、それらの魚は狭い水槽だと泳ぐことができずにストレス死してしまいます。

よく泳ぎ回る魚は遊泳できない小型水槽では飼育そのものができません。

これらの海水魚は泳ぎ回るだけの大きな水槽が必要です。

例えば「キイロハギ」、「ナンヨウハギ」などの「ハギ・ニザダイの仲間」、「フレームエンゼル」や「ルリヤッコ」など「ヤッコの仲間」、「バーゲスバタフライフィッシュ」や「マルケサンバタフライフィッシュ」など「チョウチョウウオの仲間」などは最低でも45cm以上の水槽が必要です。

キイロハギキイロハギ
チリメンヤッコチリメンヤッコ
  • よく泳ぐ魚は30cm以下の小型水槽ではそもそも飼えない

水換え回数と魚の数

餌を食べに集まった海水魚魚の数が増えればそれだけフンの量が増えることになります。

フンの量が増えれば汚れがすぐ溜まるようになるため水換えする回数および頻度が多くなってしまいます。

単純に魚の数を2倍にすれば水換えする回数も2倍になります。

例えば30cm水槽に小型魚を3匹ほど飼育していれば水換え頻度は2週間~1ヶ月に一度程度になりますが、これが6匹にもなると1週間~2週間に1回は水換えする必要がでてしまいます。

海水魚は水の汚れに弱く、水換えが生命線になることも

人工海水の投入水換えをサボってしまうと魚の許容量が許容できる水の汚れをこえてしまい、水の汚れに弱い海水魚は調子を落としてしまい死んでしまいます

魚を多く飼育すれば余裕が無くなってしまいますので水換えの重要性が上がります。

また淡水と比べて人工海水を溶かして比重を合わせる作業があり、作業的にも水換え回数が増えるのはハードです。

海水魚が淡水魚と比べ飼育できる魚の数が少ないのはこれが理由で、逆に言うとしっかり定期的に水換えを行えば淡水にも負けないくらい魚の数を多くすることができます。

自分ができる水換えの頻度と相談しながら魚の数を決めましょう。

初心者には魚が調子を崩してしまわないようにやや抑えめがオススメです。

  • 魚を増やせばそれだけ水換えの手間がかかる
  • 魚の数を抑えて水換えに余裕をもつことで失敗しにくくなる

水槽サイズ別のオススメ匹数

30cm小型海水水槽

30cmキューブ水槽(横30cm×奥30cm×高さ30cm)

30cm海水水槽30cmキューブは海水魚を飼育するにあたってとっつきやすい水槽サイズです。

スズメダイ類など縄張りを持つ魚は1~2匹まで収納可能です。

やや大きめに成長するルリスズメダイは1匹まで、小型のシリキルリスズメダイやヨスジリュウキュウスズメダイは2匹までなら問題ないでしょう。
ライブロックを立体的に組むことで小型スズメダイなら3匹までなら飼育できます。

縄張りを阻害しないような組み合わせであれば2~3匹までがオススメです。

例えば「シリキルリスズメダイなど小型スズメダイ2匹+テールポットブレニーなどのギンポ・ブレニー類1匹」や「カクレクマノミ2匹+スマイリーブレニー1匹」、「ルリスズメダイ1匹+スマイリーブレニー1匹」、「ニセモチノ1匹+スマイリーブレニー1匹」、「プテラポゴン・カウデルニィ2匹+ハタタテハゼ1匹」などの組み合わせがあります。

考え的には「中」、「中小」、「小小小」という組み合わせです。

45cm水槽(横45cm×奥30cm×高さ30cm)

45cm水槽45cmは30cm水槽と比べ遊泳力のあるハギやヤッコ類が飼育できるサイズです。

縄張りを持つ魚は2匹までにとどめておき、縄張りを阻害しないようにすれば3~4匹ほど飼育することができます。

例えば「ルリヤッコ1匹+カクレクマノミ2匹+テールポットブレニー1匹」、「フレームエンゼル+プテラポゴン・カウデルニィ3匹」、「シリキルリスズメダイ2匹+ロイヤルグラマ1匹」、「カクレクマノミ2匹+ハタタテハゼ1匹+スマイリーブレニー1匹」、「スカーレットフィンラス1匹+ハタタテハゼ1匹+カクレクマノミ1匹+テールポットブレニー1匹」などの組み合わせがあります。

考え的には「大中中小」、「大小小小」、「中中小小」、「中小小小」というような組み合わせが可能になります。

60cm水槽(横60cm×奥30cm×高さ36cm)

60cm水槽60cm水槽の大きさがあれば様々な海水魚を多く飼うことができます。

ヤッコなども複数匹飼育できるようになるサイズで、縄張りを持つ魚も入れやすくなります。

縄張りを持つ魚は2匹までにとどめておき、縄張りを阻害しないようにすれば5~6匹ほど飼育できるようになります。

例えば「ルリヤッコ1匹+キイロハギ1匹+カクレクマノミ1匹+テールポットブレニー1匹」、「ルリヤッコ1匹+フレームエンゼル1匹+チリメンヤッコ1匹」、「フレームエンゼル1匹+カクレクマノミ2匹+ハタタテハゼ1匹」、「ロイヤルグラマ1匹+シリキルリスズメダイ2匹+カクレクマノミ1匹+スマイリーブレニー1匹」、「クダゴンベ1匹+カクレクマノミ2匹+シリキルリスズメダイ1匹+スマイリーブレニー1匹」、「キイロハギ1匹+ハタタテハゼ1匹+ロイヤルグラマ1匹+テールポットブレニー1匹」、「プテラポゴン・カウデルニィ4匹+スマイリーブレニー1匹」、「デバスズメ4匹+テールポットブレニー1匹+ハタタテハゼ1匹」、「キンギョハナダイ4匹+スマイリーブレニー1匹」・・・などなど多くの組み合わせがあります。

考え方的には「大大大」、「大大中小」、「大中中小」、「中中小小小」、「小小小小小」などの組み合わせが可能になります。

スマイリーブレニーやテールポットブレニーなどの小型ブレニー類はどの海水魚とも組み合わせしやすくオススメです。

同じブレニー類ではケンカしてしまうので1水槽に1匹は入れたいマスコットですね。

まとめ

餌を食べに集まった海水魚海水魚の収容匹数に関して以下にポイントをまとめました。

  • ケンカしないように収容することで複数匹を飼うことができる
  • ケンカしないようには縄張りが重複しないように注意する
  • 縄張りがかぶる場合は小型水槽では1匹までとしたほうが良い
  • 魚の数を増やすと水換え頻度が多くなってしまうので自分ができる作業量にあわせて調節する
  • 30cm水槽の場合は2~3匹までがオススメでいずれも小型魚に限る
  • 45cm水槽の場合は3~4匹までがオススメ。1匹までならヤッコやハギ類が飼育できる
  • 60cm水槽の場合は5~6匹までがオススメで様々な海水魚を飼育できるようになる

小型水槽だと飼育できる魚の種類も小型魚のみと限られてしまうため、個人的には45cm以上がオススメです。

魚の数を増やしたくなった場合は水槽サイズのスペックアップを!

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