ディスカスは難しい?他の熱帯魚と飼育方法の違い

ディスカスは難しい魚と言われますが、飼育している方の中には大したことはない、と述べる方もいます。

実際ディスカスを飼育した経験から、何が普通の熱帯魚と難しいのかを紹介します。

飼い方はこちら初心者向けディスカス飼育ガイド(専門家の監修アリ)

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ディスカスの難しさとは?

ディスカスはテトラ類や小型シクリッド・コリドラスなど一般的な熱帯魚の飼育レベルからすると以下の2点が難しいポイントになるでしょう

  • エサの手間
  • 水換えの手間

ネットで検索すると色々出てくると思いますが、熱帯魚全般を飼っててディスカスにチャレンジした経験からするとこの2つが最も意識しないといけませんでした。
(というかよくあるブログサイトはまともに飼ってない人がライターしてるのがほとんどな印象)

順を追って解説していきます。

参考:ネットの信憑性

ディスカスは「育てたものを見れば飼育者の力量が分かる」と言われる魚ですが、ネットですぐ出てくるのって自分で育てたディスカスの写真が無いか立派な成魚の写真を載せていないので、かなりの確率で飼育経験が無いかまともに育ててない人が書いてます。
(通販サイトの写真やフリー素材のやつばっか)

なのでかなり信ぴょう性は欠けるので注意。

2匹のディスカス、ロイヤルブルーディスカス他このような「実際育てた成魚ディスカスの写真を載せているか?」はホンモノの経験者を見分けるポイント

エサの手間

まず前提としてディスカスの食性はデトリタスなどを常日頃からハムハムしている熱帯魚ということです。

要するにグズグズのエサを少しずつずっと食べているような感じで生活しています。

その食性から1日に何度もエサを与える必要があり、一般的なサラリーマンのルーチンとしては朝・夕・晩の3回は最低限必須です。

加えてディスカスは人工飼料を嫌う熱帯魚であり、一般的な熱帯魚のエサがほぼ使えません

ディスカスに与えるフードとしてはディスカスハンバーグという牛の心臓を主原料にした冷凍エサ、もしくは冷凍赤虫が定番です。

水槽底に散らばったディスカスハンバーグディスカスハンバーグを食べるディスカス

上記のような「ディスカス用と書いてあるフードを使えば良いのでは?」と思いがちですが、これは大きな罠。ディスカス用と売っているのに吐き戻して全く食べないか、食べても少ししか腹に入れないというのが実際です。

エサを1日1回しか与えず、少ししか食べれない人工飼料のみの飼育スタイルが続くと「成長不良」という明確な実害がディスカスでは出ます。

成長不良については、次次項で詳しく説明しますが端的に言うとゆっくり死ぬので、成長不良にならないようしっかりエサを与える必要があるワケです。

普通の魚の場合、エサはちょっとでも与えていれば問題は起こりません。しかしそれだと成長不良で死んでしまうのがディスカスの難しいところなのです。
人工飼料についての補足

補足すると人工飼料も全くのNGではなくエサの種類と慣らすことによって食べるようになります。ただし最初から人工飼料しか与えないのは成長不良のリスクが極めて高いです。

ちなみにディスカス専用エサと売られているやつより、テトラミンの方がはるかに食べるので与えるならそれがオススメ。

水換えの手間

普通の熱帯魚と比べ、ディスカスの飼育が違うこと2点目が「水換えの手間」です。

ディスカスハンバーグを大量に食べさせるということから大量のウンチが出る、ということもそうなんですが、成長不良にさせないために高頻度水換えをして代謝を上げる、ということが求められます

特に成長途中の小さいディスカスの場合はできれば毎日水換えを行いたいくらい高頻度の水換えになります。
(成長ステージによっては1日2回水換えとかするケースも)

ディスカスの水換え風景これぐらいの量を毎日換える

まぁここは育成方針によって異なり、例えば人によって3日に一度など多少の差はあります。

ただ元々ディスカスの生息地は川の本流に近いアマゾン水系であり、川の流れで常に水が入れ替わっているため根っからが高頻度の水換えを要求する魚

成魚の場合でも水換えをあまりしないスタイルだと調子を崩しやすいです。

水換えの頻度は多くしないとこれもまた”成長不良”になって死ぬ傾向があります。普通の魚はそんなことしなくても育つのですが・・・

普通の魚と同じように飼育したらどうなる?

2匹のレッドロイヤルブルーディスカスよく売られているサイズ

よく販売されている若い小さなディスカスを一般的な熱帯魚と同じように「週1~2水換え」、「エサを人工飼料で1日1回」とした場合、ほぼ間違いなく健康に育たず”成長不良”になります。

成長不良になってしまったディスカスは大きくなることができず、エサも十分摂取・吸収できなくなってゆっくりと死んでしまう結果に。

以下は一般的な熱帯魚と同じように育てた一例ですが、

ブルーダイヤディスカス(成長不良)

一見綺麗なディスカスに見えるものの、身体の割に目が大きく臓器の成長に対して身体が成長できておらず典型的な成長不良です。

この手のディスカスはエサを食べる・消化吸収する能力が大きく低下しており、数ヶ月~半年ほどかけて死んでしまいます。現に写真のディスカスは撮影後そのサイズのまま死んでいます。

ちなみに同サイズで同じ期間マトモに育成したディスカスのイメージは以下の感じ。

ブルーベリーディスカス(Blue Very)

一般的な熱帯魚であれば1日1回エサを与え1~2週間に一度程度の水換えを行っていれば死ぬことはあまりありません。

ただディスカスの飼育では、エサを十分に与えず水換えもしないスタイルだとサクッと成長不良になってしまい、購入したディスカスが弱ってしんでいくのを見るだけになってしまうのです。

ポイントを抑えてやれば割と飼える

一般的な魚と上記2点が難しいポイントですが、その2点を念頭に飼育すれば「案外普通に飼えるな」という印象を受けます

もちろん他にも「温度は29度」、「販売時点で既に成長不良になっていないディスカスは避ける」など飼育ポイントはありますが、大きくは”水換え・エサに注意して成長不良にならないように意識して飼育”してやれば意外と立派なディスカスが育ちます。

ハンバーグの食べ残しと大量のエサを掃除しないといけないので必然的にベアタンク水槽にはなりますが、そこらへんを抑えれば「大したことはない魚」だと思いますね。

コバルトブルーターコイズディスカス

上記の個体は45cm水槽で始めて、後に60cmレギュラー水槽で且つ水槽に5匹ぐらいディスカスを入れて育成した個体ですが、それでもこんな感じです。

60cmハイタイプ水槽でのディスカス飼育例上記個体の育成環境。過密でよろしくはないがそれでも上記のようになる。

水質にうるさい?

ディスカスは水質にうるさくpH6.0が必須と言われることもありますが、一般的に売られているディスカスは人の手でかなり改良が進んだ改良品種であり、それらの水質適応範囲はかなり広くなっています

2匹のレッドロイヤルブルーディスカス1,800円で売られていたレッドロイヤルブルーディスカス
ディスカス(レッドロイヤルブルーディスカス)育成した結果がこれ
(さっきの右側の個体です。模様に面影がありますね)

私は現地採集されたワイルドディスカスと改良ディスカスの両方を飼っていますが、改良品種は水道水のカルキ除去した水(pH6.5~7.5)で毎日水換えしており、それでも写真の通り「THE ディスカス」という個体が育っています。

体力もある魚なので、水質変化にも強く改良ディスカスに関しては水質面で苦労したことはないですね。

ただし地域によっては水道水がpH8.0とか叩き出すところもあるので、そのあたりになってくると厳しいんじゃないかとは思います。

ワイルドディスカスは鬼
グリーンディスカスたち(アッパーテフェ)ワイルドディスカスのグリーンディスカス

ただし現地採集されたワイルドディスカスは難易度が跳ね上がり、むしろ全く異なる魚レベルに難しいです。

生息していたところの水質を見極めて調整するといった水質への敏感さはもちろんのこと、個体間のストレス、水槽内細菌によるストレスなど様々な要因で拒食になり、その都度適切な対応が求められます。

ワイルドディスカスは僕も飼育していますが、小さいのを5匹購入して2匹ぐらいしか育てられないぐらい難しい熱帯魚です。

・・・

さて色々ディスカスが一般的な熱帯魚と大きく異なるポイントを紹介していきましたが、飼育のポイントを意識して専用水槽で飼育すればそこまで大した魚ではないのも事実かと思います。
(ただ何度も言うように地域によっては水道水が合わない場合があり)

その他の飼育ポイントや飼育環境・設備などについては、以下記事で詳しく解説していますのでディスカス飼育に興味があれば是非ご参考に。

飼い方フォーカス初心者向けディスカス飼育ガイド(専門家の監修アリ)

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