サンゴの王様!ミドリイシの飼育について!

一般的にサンゴと聞いてイメージするコーラルがミドリイシです。

ミドリイシは飼育が難しく開発によるサンゴ礁破壊が問題となっており、サンゴ礁の再生も課題のひとつです。

しかしながらポイントを抑えれば十分可能なサンゴのひとつで神経質なハードコーラルより簡単と言われるほど!

沖縄の綺麗なサンゴ礁を自宅で再現しましょう!

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ミドリイシについて

スギノキミドリイシの森ミドリイシはハードコーラルのうちSPSというグループに属し、骨格を持つサンゴです。

その骨格は一般的なサンゴを連想し、死んだミドリイシは雑貨屋さんで目にすることもあり、砂浜に流れ着いているのもまたミドリイシが多いです。

ミドリイシは一般的なサンゴとしてイメージされるサンゴでサンゴ礁を形成しているコーラルです。

マリンアクアの世界でも飼育は難しいながら人気のあるジャンルで、サンゴ飼育趣味をいきつめればミドリイシに終着する人も多く王道のジャンルです。

飼育の難しさ

SPSの枝ミドリイシはサンゴの中で最も難しいジャンルだと言われています。

ミドリイシは水の汚れや水流、照明などの要求ハードルが高く、特に水の汚れである硝酸塩濃度は「1ppm前後」を好み、飼育環境を用意するのは設備と時間がかかります。

水族館ですらミドリイシを飼育しているところは少ないほどです。

しかしながら定番で長く挑戦されたジャンルで飼育方法が確立しつつあります。

ツツウミアザミやハナガササンゴのように理由が分からず失敗することはなく、しっかりポイントを抑えればサンゴ礁を作ることも十分可能です。

ミドリイシ飼育のポイント

黒板の前で自己紹介をする新任教師

硝酸塩濃度

レッドシーの硝酸塩濃度測定キットミドリイシは水の汚れである硝酸塩濃度をとても低く保つ必要があり、2ppm未満の維持が必要です。

理想的には1ppm程度を維持したいところです。

硝酸塩を下げるためにはプロテインスキマーなどの飼育器具の充実とライブロックが調子良くなるまで待つことが求められます。

水槽システムが立ち上がっていないと硝酸塩濃度はなかなか下がらないため、ミドリイシ飼育の始まりは他のサンゴを飼育している最中に硝酸塩濃度が落ちてきたので飼育を初めてみたパターンが多いでしょう。

水槽がいい感じに仕上がってきたら是非ミドリイシの飼育にチャレンジしてみましょう。

関連海水水槽の硝酸塩濃度を下げるために見直すべきポイントと対策方法!

照明

LED照明ミドリイシは浅場のサンゴということもありとても強い光が必要です。

単に強い光だけではなくミドリイシが必要なスペクトル成分のパワーが強いことが求められます。

観賞魚用の薄型LEDでは完全にパワー不足でミドリイシの飼育にはフルスペクトルLEDまたはメタルハライドランプが必要です。

以前はミドリイシはメタハラしか飼育できないとされていましたが、今では高性能なフルスペクトルLEDが広く普及しているためフルスペクトルLEDの方が準備しやすいのでオススメです。

最近ではフスルペクトルLEDのスペクトル成分を補うようなスペクトル成分のLEDを登場してきましたので、フルスペクトルLEDをベースにミドリイシの種類にあわせて併用していくスタイルが理想になっていくのではないかと思います。

浅場のミドリイシのほか深場に生息するミドリイシもあり、こちらはやや暗めの青い照明のほうを好みます。

関連サンゴを飼うための照明について。色や時間、LEDの使用感など。

栄養素

人工海水ミドリイシの成長には各種栄養素が必要です。

特にカルシウム成分は骨格の形成に必要なため不足しているといつまでたっても大きくすることができません

カルシウム成分のみを添加する場合はカルシウムリアクターが良く使用されていましたが、現在はカルシウム以外の栄養素も含んだ添加剤が普及していますのでそちらの方が飼育には良い結果が得られると思います。

換水を行って人工海水から栄養素を補充する方法もありますが、手間が大きいので栄養素の添加がオススメです。

ただし市販の添加剤には色々種類があり、それぞれ使い方が異なるので注意が必要です。

詳しく:サンゴに必要な栄養と添加剤の種類について。使い方と選び方

水流

ウェーブポンプWMP4000のコントローラミドリイシの飼育には力強い水流が必須です。

加えてランダムな水流が求められるため、コントローラ付きのウェーブポンプの使用が必須です。

45cm未満の水槽では強力なポンプがあれば1台でも大丈夫ですが、60cm以上では2台併用した方が良いでしょう。

正直洗濯機のようにグイグイ回っていても強すぎるということは無く弱い水流よりは調子が良いでしょう。

だいたい魚が入っていることがほとんどですので魚が衰弱しないように留めておくのが良いですが、海水魚は普段強い海流に揉まれて生活していますので意外にも水流に対する適応力があります。

関連海水水槽の水流について。ポンプと作り方、考え方

サンゴとの接触に注意

白化したウスエダミドリイシミドリイシはサンゴとの接触に弱く、接触してしまうと毒に負けて肉が剥がれて骨だけになってしまいます。
これを白化と呼びます。

他のサンゴとは接触しないような位置に設置しましょう。

特にスイーパーを伸ばすようなナガレハナサンゴなどのチョウジガイ系サンゴや、侵食するスピードが早いマメスナギンチャクには注意が必要です。

また移動する性質のあるイソギンチャクとの同居にも向いていません。

特にライブロックから落ちて接触してしまうと気づかぬうちに白化してしまうのでしっかりとサンゴ用のボンドなどでしっかりと接着を行いましょう

カニやヤドカリ、貝がいる場合や落ちやすい箇所に置く場合は特に注意が必要です。

サンゴ食性のある魚は入れない

チリメンヤッコサンゴ食性のある魚を入れるとミドリイシの身の部分が食べられてしまいます。

ヤッコ類やチョウチョウウオ類はサンゴ食性を持つものが多くいますので同居には注意が必要です。

特にヤッコ類は綺麗で手頃な価格なため人気の海水魚ですが安いものはサンゴを食べる性質がある種類ばかりで、スミレヤッコやシマヤッコなどサンゴを食べる食性が低いものは価格が高い傾向があります。

せっかく育てたミドリイシが食べられないよう魚を導入する際はサンゴ食性が無いか調べてからにましょう。

コケ・海藻の対策

キイロハギミドリイシはあまり動かず名前の通り石に近い性質を持っているためコケや海藻に覆われやすいという特性を持っています。

ミドリイシのコケや藻類の対策にはハギ類やギンポ・ブレニー類を入れるようにしましょう。

特にハギ類は除去が厄介な藻類の繁殖を止めることができるため、ミドリイシが入れられている水槽には定番の海水魚です。

またコケに覆われないように適切な水流をしっかり当てるというのも重要になります。

ミドリイシ飼育に向いた水槽システム

45cmキューブオーバーフロー水槽ミドリイシの飼育にもっとも重要なパラメータが「硝酸塩濃度」の低さです。

理想的数値の「1ppm」は魚を入れている以上、換水でカバーできるものではありません
換水でカバーしようと思うと毎日の換水が必要になるため現実的では無くなります。

そのため硝酸塩の除去を水換えに頼らない、無換水ベルリン式システムがオススメです。

強力なプロテインスキマーをメインに据えたシステムで硝酸塩が上昇しない海水システムであるためミドリイシと相性が良いでしょう。

そのほか硝酸塩を処理するバクテリアを活性化するバクテリオプランクトンシステムや海藻に硝酸塩を吸収してもらうナチュラルシステムも向いたシステムです。

関連
海水水槽のスタンダード!ベルリン式システムとは!?
ベルリンよりも海水魚を多く入れれるマッドシステムとは!?メリットと作り方!

ミドリイシの成長スピード

障子の前のかわいい盆栽ミドリイシはソフトコーラルや海藻のように成長スピードは早くありません。

数ヶ月単位で見てやっと成長が目に見えるほどで大きくなるには年単位を要します

盆栽のようにじっくり楽むコーラルだと言えます。

1ヶ月で成長できる大きさ

購入時のフラグミドリイシと1ヶ月1週間経過後の様子が以下です。

購入直後のフラグミドリイシ(ウスエダ)購入直後
導入後1ヶ月と1週間ほどのフラグミドリイシ(ウスエダ)導入後1ヶ月と1週間ほど

全体的に細く伸びてきているのがわかりますでしょうか。

特に根本はフラグを覆おうとしているので一目瞭然です。

導入直後は成長のスイッチが入りきれてないこともありますが今後が楽しみですね。

ミドリイシの色揚げ

成長したフラグミドリイシミドリイシの飼育には色揚げおよびパステル化という育成手法があります。

褐色がかったくすんだミドリイシでも色揚げを行うと鮮やかな体色に変化します。

色揚げの方法

レッドシーの硝酸塩除去剤と付属のシリンジミドリイシの色揚げは体内にいる褐虫藻を抜き、本来の色素を見えるようにすることです。

褐虫藻は硝酸塩を養分としていますが、硝酸塩を0近くにすることで褐虫藻が抜けてサンゴ本来の色が表れるというのが色揚げの仕組みです。

具体的には炭素源および硝酸塩除去剤を投与してバクテリアの働きを過剰にすることで、普段でも低い硝酸塩をほぼ0に持っていきます。

しばらく超低硝酸塩環境を維持することで褐虫藻が生存できなくなりサンゴの色が鮮やかになっていきます。

関連意外とエコな海水水槽の硝酸塩除去剤とは!?仕組みや効果など!

色揚げ後は飼育環境の見直しが必要

強い日差し褐虫藻は光合成を行ってサンゴに栄養を供給するという役割を持っています。

色揚げするということは体内から褐虫藻が抜けてしまうということなので、光合成以外で栄養を補給できないと死んでしまいます

色揚げ後はミドリイシのポリプから摂取できるような栄養を与えることが必要です。

また褐虫藻が無いことにより強い照明が直接サンゴにあたることになり、照明を落とさないと調子を崩してしまうことがあります。

照明が強すぎることにより調子を崩してしまうことを「照明焼け」と言い、色揚げ後は照明の見直しが必要です。

硝酸塩の下げすぎに注意

溶けたナガレハナサンゴ硝酸塩はミドリイシ以外にも栄養として利用している生物が多いため、下げすぎて0にし続けてしまうと水槽システムが崩壊する可能性があります

0にしてしまったり調子が崩れてきたなと感じた場合は、硝酸塩除去剤の投与をやめて様子を見ましょう。

場合によっては魚を入れて硝酸塩を増やすようにするのも手です。

おわりに

フラグミドリイシがセットされたライブロックミドリイシの飼育はマイナージャンルというかネット上でまとめられるほど普及しておらず、成長もゆっくりなので正直私も手探りです。

最近ではフラグミドリイシという成長したミドリイシを枝分けしたものが安価で販売されるようになってきました。

フラグミドリイシとして販売されているものは成長が早かったり、丈夫なものが多いのでミドリイシの入門として最適です。

特にウスエダミドリイシとスギノキミドリイシは丈夫なため、そららのフラグミドリイシが特にオススメです!

やはりサンゴといったらミドリイシ!チャレンジしてみてはいかがでしょうか!

ゆっくりと大きく形を作っていくので盆栽のように楽しめますヨ!

次にオススメ!:海水水槽の硝酸塩濃度を下げるために見直すべきポイントと対策方法!

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