適切な水替えの頻度と量とは

見た目上汚れが無くても換水というのは必ず行う必要があります。

そして水替えの周期や量などは飼育環境により変化します。水槽の大きさや濾過装置などで適切な頻度と量があり、劣悪な環境だと1日ごとに換水する必要もあります。

モデルケースを想定して換水量と頻度の目安をご紹介します。飼育環境にあった水替えの量とタイミングを見極めましょう。

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水替えの意味は?

そもそも水替え及び換水の主目的は何でしょうか?

溜まったフン及び排泄物や汚れを吸い出すためでは無く、正確にはフン等が分解された硝酸等の有害物質を吐き出すためです。※勿論フンなどもついでに吐き出します。

初心者に多い間違いが「水が透明で汚れて無いから換水は不要である」と誤判断していまうことです。有害物質は目では見えないため、見た目は綺麗でも換水は必要です。換水が必要なタイミングがきたのにも関わらず放置しておくと病気に繋がってしまいます。

有害物質と濾過の関係についてはコチラをご参照ください。

関連水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。

これ以上水槽内で分解できなくなった有害物質を除去することが換水の主目的です。

一度に大量の量を変えないこと

弱っているベタ

全ての水を換水することで有害物質を0にすることは可能です。

ですが一度に大量の水を換水すると魚がショックを起こしてしまい死んでしまいます。ショックを防ぐためには1回に換水する量を全体の一部分にすることです。

魚の種類にも寄りますが神経質な魚で無い場合は、一般的に1回の換水で1/3~1/4程の水を入れ替えます。

水替えのタイミング

飼育環境によって様々で、水槽の大きさや収納匹数によって変化します。どのような要素によって変わるかをご説明します。

排泄物の量

飼育している魚が大きかったり、数が多ければ排泄物が溜まるスピードが速いです。つまり有害物質が溜まるスピードも早くなり、それだけ高頻度の換水が必要になってしまいます。

また餌を多めに与えている場合は通常より多くのフンが排出されてしまいます。

水量

水槽が大きければ大きいほど有害物質の濃度が薄くなりますので換水を遅らせることが可能です。

汚れを墨汁に例えると、小さな水槽に1滴墨汁を垂らすと真っ黒になりますが、大きな水槽に1滴垂らすとやや黒くなる程度で水槽が大きい程水質の悪化に強くなります。

2倍の水量を持つ水槽は単純に2倍の期間、換水頻度を伸ばせることになります。ここができるだけ大きな水槽が良いとされる所以です。

濾過装置

外部式フィルター濾過容量が大きい装置は水質が安定しやすい

濾過装置が付いていない又は能力が弱い濾過装置の場合はより高頻度の水替えが必要です。

濾過バクテリアが繁茂していると排泄物はすぐに分解され毒素の少ない物質に変化しますが、濾過能力が低いと排泄物が分解されにくいため、水槽内はより毒素が強いことになります。そのため換水しなければならないタイミングが早い段階できてしまいます。

濾過容量が小さい壁掛け式や水中式フィルターの場合は濾過バクテリアが棲む場所が少ないため注意が必要になります。

補足:濾過容量が高くてもあまりにも数が多い場合はキャパシティを超えますので高頻度の換水が必要です。

目安

以下にいくつか例を挙げます。

30cm小型水槽(12L)で壁掛式フィルターの場合

ネオンテトラの数 換水目安
5匹 一週間に1回
10匹 2,3日に1回

壁掛け式フィルターや水中式フィルターは濾過能力が弱いので早い段階での換水が必要になってしまいます。では外部式フィルターの場合はどうでしょうか。

30cm小型水槽(12L)で外部式フィルターの場合

ネオンテトラの数 換水目安
5匹 1~2週間に1回
10匹 1週間に1回

換水時期を多少遅らせることができます。ただしやはり水量の小さい水槽ではすぐに水質が悪化してしまいますので設置スペースに余裕がある場合はより水量がある大きな水槽をオススメします。

60cm規格水槽(57L)で外部式フィルターの場合

ネオンテトラの数 換水目安
10匹 1~2か月に1回
30匹 1~2週間に1回

大きい水槽は奥行きも高さもありますのでより水量が多く何倍ものキャパシティがあります。水量が4,5倍ありますので換水しなくていい期間も4,5倍になります。大きい水量なのでより魚の数を増やすことも可能です。

アクア雑誌や水草コンテストに入賞するような綺麗にレイアウトされた水槽は90cmや120cm水槽が多いですが、水量は200L,250Lにもなりほぼ好きなだけ魚の数を増やすことができます。

過密気味の水槽
過密水槽は高頻度の換水が必要

補足:水替えする理由は他にもある

またそのほか水替えする理由は有害物質の除去のみではありません。

  • 水草の栄養補給のため
  • ソイルからにじみ出た栄養を吐き出すため
  • 病原菌が蔓延してしまったため
  • ・・・・etc

様々な要因で水替えが必要となることがありますがここでは説明を割愛します。有害物質の除去が主目的であるものの他の要因で水替えする必要もあるということを頭の片隅に置いておいて下さい。

まとめ

まとめますと

  • 換水は飼育環境にもよって変わるため、環境に合った換水頻度を見極める
  • 余裕の無い飼育環境は高頻度の水替えが必要
  • 飼育環境や匹数に余裕を持つことで換水を遅らせることが可能
  • 一度に多量の水を変えてしまうとショックをおこすため、1/3~1/4の量に留める

匹数や飼育設備に余裕を持って飼育している場合は2週間に1回の換水で対応可能ですが、小さい水槽や匹数に余裕がない場合などは高頻度の換水が必要になってきます。

また小さな水槽と大きな水槽では見た目よりも水量が多いということです。置き場所に余裕があればできるだけ多い水量の水槽の方が換水頻度を伸ばせたりより多くの魚を飼育することが可能です。

飼育水は魚にとって呼吸する空気そのものですので、有害物質を吐き出しより新鮮な空気(水)で飼育することが何よりも重要になります。

チェッカーボードシクリッドと田砂

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